【試写レビュー】『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊』シリーズ第3弾は “ベネチア” が舞台。ケネス・ブラナーのこだわりと新たな魅力炸裂!《2023年9月15日(金) 全国公開》

2023年9月15日(金)、「オリエント急行殺人事件」、「ナイル殺人事件」に続く“名探偵ポアロ”シリーズの最新作『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊』が全国公開されます。

原作は、アガサ・クリスティの小説「ハロウィーン・パーティ」。クリスティの生んだ名探偵エルキュール・ポアロが、イタリアの水上都市ベネチアを舞台に不可解な殺人事件の解決に挑む姿を描いた本格ミステリー作品です。

©︎2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

公開に先立ち、『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊』(2D 字幕版上映) の試写会が開催されました。本記事では、本作の見どころをはじめ 多方面から作品の魅力に迫ります。

■STORY■

水上の迷宮都市ベネチアで隠遁生活を過ごしていた名探偵エルキュール・ポアロは、霊媒師のトリックを見破るために、子どもの亡霊が出るという謎めいた屋敷での降霊会に参加する。しかし、そこで人間には不可能と思われる殺人事件が発生。犯人が実在するかさえ不明な事件に戸惑いながらも、真相究明に挑むポアロだったが……。

目次

ケネス・ブラナーが魅せる、「ベネチア」の美しくミステリアスな世界

著作の発行部数が世界で20億冊以上といわれる、”ミステリー小説の女王” アガサ・クリスティ。彼女が創出した作品の数々は世界中の読者を魅了し、今なお色褪せることなく読み継がれています。
なかでもベルギー人のエルキュール・ポアロは、クリスティが生み出したキャラクターとして最も有名な名探偵。跳ね上がった”口髭”が特徴の小柄な男性で、何気ない会話から相手の特徴や矛盾点、真意などを見抜く推理力に長けた人物です。

©︎2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ポアロを主演とした作品は、これまで何度も映画化されてきましたが、現在その第一人者として監督・製作・主演を務めるのが、ケネス・ブラナー。独自のエピソード、ポアロの意外な側面を加味し、原作ファンのみならず新たな観客層を開拓することに成功しました。

■原作「ハロウィン・パーティ」

ケネス・ブラナーによる最新作『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊』の原作は、アガサ・クリスティにとって60作目、ポアロ作品全33作のうち31番目の長編となる「ハロウィン・パーティ」。ロンドン近郊の町を舞台に、子どもたちが集まったハロウィン・パーティで起こる事件を描いた物語で、事件そのものはもちろん、そこに関わる人々の性格や心理を巧妙に絡めた展開が魅力の作品です。

■原作のエッセンスを取り込みながらも、大胆に改変

これまでブラナーによって映画化されてきた前2作とは異なり、本作は大胆に原作を改変したことでも話題。1947年のベネチアを舞台に、「亡霊」という超常現象をも絡めた衝撃のミステリーを完成させました。

©︎2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

映像を通して、ゴンドラクルーズや豪華な建物、”仮面舞踏会”でも有名なマスクなど、美しくもミステリアスなベネチアの風景が楽しめるのも見どころの一つ。本作の事件現場として登場する”屋敷”や街の縮尺セット、運河の建設など、観客がより物語の世界に没入できるように極限まで本物に近い大規模な撮影セットを建設したというのも驚きです。
また、それらとともにヴェラ・リンによる「When the Lights Go On Again」や、グレン・ミラー・オーケストラによる「In the Mood」といった1940年代に流行した楽曲を起用するなど、さまざまな背景からブラナーのこだわりとセンスが宿る作品だと感じました。

謎めいた屋敷での”降霊会”

エルキュール・ポアロ
〈世界一の名探偵〉

世界一の名探偵。隠遁生活を送っていたが、旧友の作家に依頼されて降霊会に参加することに。

レイノルズ
〈謎めいた霊能者〉

「死者の声を話せる」と断言する、謎めいた霊能者。ロウィーナの亡くなった娘の声を話すために降霊会を開催する。

アリアドニ・オリヴァ
〈ポアロの旧友の作家〉

世界で最も売れている推理作家。本の随筆のために、降霊会のトリックを暴いてほしいとポアロに依頼する。

ロウィーナ・ドレイク
〈娘を亡くした母親〉

最愛の娘アリシアを亡くした元オペラ歌手。もう一度娘の声を聞きたいと願い、レイノルズに降霊会を依頼する。

ドクター・フェリエ
〈悩みを抱えた医師〉

優秀な医師だったが、戦争で軍医として従軍した経験から精神的に不安定になってしまう。息子とともに降霊会に参加する。

「死者の声が話せる」と断言する霊能者のトリックを暴くことを友人に依頼されたポアロは、ハロウィンの日に子どもの霊が現れるという屋敷でのパーティと降霊会に参加します。
降霊会とは、霊能者を介して死者とコミュニケーションを図るセッションを意味し、これまでもミステリーやホラー作品などさまざまな場面で描かれてきました。

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本作では、ミシェル・ヨー演じる霊能者 レイノルズ夫人が降霊会を開催し、ポアロをはじめとした参加者の前で人間には不可能な方法で異様な超常現象を引き起こすことに…?気が付けば、彼女の台詞一つひとつや 顔の表情などから鋭く発せられる存在感に圧倒されます。また、招待客を演じるキャスト陣の謎めいた名演からも、目が離せません。独特な魅力と狂気じみた空気感が画面いっぱいに広がり、強い緊張と不安が伝わってきました。

解き明かすのは、殺人事件か、超常現象か。
そして、あなたは事件の結末に衝撃を受けるか、エモーショナルな余韻に浸るかーーー。
世にも不可思議な迷宮ミステリーが、いよいよ開幕します。

『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊』作品詳細

©︎2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

2023年9月15日(金)
全国劇場にて公開

監督:ケネス・ブラナー
脚本:マイケル・グリーン
製作:ケネス・ブラナー、リドリー・スコット ほか
製作総指揮:ジェームズ・プリチャード、マーク・ゴードン ほか
音楽:ヒドゥル・グドナドッティル
出演:ケネス・ブラナー、ジェイミー・ドーナン、ティナ・フェイ、ケリー・ライリー、ミシェル・ヨー ほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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この記事を書いた人

【取材、撮影、記事作成など、Webサイト『映画とわたし』に関わる全てのことを担当】

兵庫県神戸市出身、関西大学卒業。大学在学中にシンガーとして音楽活動を開始。CDリリースや数々のアーティストのバックコーラスを経て、ディズニー映画『美女と野獣』の日本語版デュエットソングDAMガイドボーカル(第一興商)を務める。卒業後は、関西のマスメディアで業務に携わり、2019年には神戸のラジオブースでパーソナリティとして活動。
2022年には、阪神百貨店で開催されたバレンタイン催事のイメージソング『Strawberry』を制作。Webメディア『映画とわたし』の運営を中心に、記事掲載や写真・動画撮影、音楽を通してモノやコトの魅力を発信中。

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