《宮崎吾朗監督、大村秀章知事 登壇》新エリア「魔女の谷」が3月16日にオープン!ジブリパーク施設説明会を開催【イベントレポート】

ジブリパーク施設説明会にて撮影
(左から)愛知県の大村秀章知事、宮崎吾朗監督
撮影:Webサイト『映画とわたし』

2024年3月16日(土)、ジブリパーク(愛知県長久手市)に新エリア「魔女の谷」がオープンします。エリア内では、『魔女の宅急便』や『ハウルの動く城』、『アーヤと魔女』に登場する建物やヨーロッパ風の街並みを巡ることができます。

オープンに先駆けて 2月28日(水)に メディア向け内覧会が開催され、遂にその全貌が明らかに!(内覧会レポートはこちら)愛・地球博記念公園内の地球市民交流センターでは「ジブリパーク施設説明会」が行われ、制作現場を指揮してきた宮崎吾朗監督と、愛知県の大村秀章知事が出席しました。

今回の「魔女の谷」のオープンによってジブリパークの全5エリアが全て揃うことになり、大村知事は「ようやく完成して、感慨深いものがございます。」と話し、「2005年の『愛・地球博』の理念がジブリパークに脈々と受け継がれています。スタジオジブリの作品のコンセプトも未来永劫、生き続けていくと思っています。老若男女問わず、世界中の多くのジブリファンの皆さんに楽しんでいただきたいです。」と力強くコメントしました。

ジブリパーク施設説明会にて撮影
大村秀章知事
撮影:Webサイト『映画とわたし』

宮崎吾朗監督による、ジブリパーク施設説明

ジブリパーク施設説明会にて撮影
宮崎吾朗監督
撮影:Webサイト『映画とわたし』

続いて、制作現場を指揮してきたスタジオジブリの宮崎吾朗監督と、司会進行役として株式会社ジブリパークの上村早江子さんが登壇し、インタビュー形式でジブリパークの施設説明が行われました。

まずは新エリア「魔女の谷」がようやく完成したことについて、宮崎監督は「およそ7年の歳月をかけて、やっとここまで辿り着きました。ほっとすると同時に、愛知県の皆さんをはじめ、設計会社や施工会社といったあらゆる人たちに感謝したい気持ちでいっぱいです。」と率直な気持ちをコメントしました。

「魔女の谷」の誕生秘話

「魔女の谷」は、どのようにして生まれたのでしょうか。

宮崎監督:「愛・地球博記念公園に視察に訪れた際、ジブリパークの候補地をいくつか紹介していただきました。その中で一番まとまっていて、森と池に囲まれていて、すごく良い雰囲気を持っていた場所が現在の『魔女の谷』エリアになります。これだけ自然に囲まれていると、周りの世界とは切り離されたような独自の空間を生みだせると思いました。『サツキとメイの家』が和風だとすると、それに対する洋風のファンタジックな世界観が生み出せるのではないかということで、構想の最初の段階から計画をしていました。」

上村さん:「その洋風のイメージから、“魔女”の発想が繋がったということでしょうか?」

宮崎吾朗監督:「そうですね。ジブリ作品はご存知のように、日本を舞台にした作品からヨーロッパ的な世界を舞台にした作品があると思います。魔法が出てくる作品は、ファンタジックなものが多いんですよね。そこで、魔法使いや魔女をテーマにした洋風な世界を作りました。」

ジブリパーク施設説明会にて撮影
宮崎吾朗監督
撮影:Webサイト『映画とわたし』

エリア内の建物について、“本物の家”のように建てた想いを教えてください。

宮崎監督:「やっぱり、“触れること”が大事だと思っています。家の中に入って眺めるだけではなくて、そこにあるものに触れることで、その場所を深く体験できると思います。最初に『家を建てたい』というところからスタートしているので、住める機能をきちんと作っておきたくて。それが建物としての説得力になるんじゃないかと考えています。」

上村さん:「『ハウルの城』を本物の建物として成立させるにあたり、特別なエピソードはありますか?」

宮崎監督:「図面に引けない建物ですよね。(笑) 平面的に見ても、直角で交わるところがあまりないんです。なおかつ、建物の下部は不思議な形をしているので、三次元的に設計する必要がありました。コンピュータがあって本当に良かったと思っています。それでもやっぱり、施工の段階では、なかなか上手くいかないところがありましたが、一つひとつ現場でクリアしていきました。」

「ハウルの城」
ジブリパーク「魔女の谷」メディア向け内覧会にて撮影
撮影:Webサイト『映画とわたし』

グーチョキパン屋」の商品ラインナップはどのようにして決められたのでしょうか。

「グーチョキパン屋」
ジブリパーク「魔女の谷」メディア向け内覧会にて撮影
撮影:Webサイト『映画とわたし』

宮崎監督:「最初、テーマパークみたいなところに遊びに来て、食パンを買う人はいるのかという話になりまして。食パンやフランスパンをわざわざ買って、それを持って公園の中を歩くスタイルも良いんじゃないかという話も随分したんですけど、やっぱり映画の中に登場するあの雰囲気を保ちたいということで、極力 映画の雰囲気を再現できるパンを作るということ、また同時に食べて美味しかったり、遊び心があるものも加えてメニューができていきました。」

上村さん:「“遊び”というお言葉がありましたが、宮崎監督のお気に入りのパンはなんですか?」

宮崎監督:「あぁ…『ナポリタン』って言わせたいんですよね。(笑) お気に入りは、『ナポリタン』です。」

ジブリパーク施設説明会にて撮影
宮崎吾朗監督
撮影:Webサイト『映画とわたし』

今までジブリパークにはなかった乗り物遊具がありますが、それぞれの特徴を教えていただけますか。

宮崎監督:「『メリーゴーランド』は、ジブリ作品にちなんだ装飾があればいいなという思いから、スタートさせました。『フライングマシン』は、すぐ横に立っている『飛行機乗りの塔』が1階から2階へ遊戯施設のように上がることができる遊び場で、これらとすべてセットになったものなので子供向けの乗り物遊具にしました。」

「メリーゴーランド」
ジブリパーク「魔女の谷」メディア向け内覧会にて撮影
撮影:Webサイト『映画とわたし』
「フライングマシン」
ジブリパーク「魔女の谷」メディア向け内覧会にて撮影
撮影:Webサイト『映画とわたし』

「ジブリパーク」全体について

スタジオジブリが ジブリパークの構想に取り組んだ理由を教えてください。

宮崎監督:「今から10年前に宮﨑駿監督が長編作品から引退することを宣言しまして。それはあの… 見事に裏切られたことが証明されてる訳なんですけれども。(笑) それで、ジブリが今後長編作品を作らないということになるとどうしようかと考えているなかで、これまで作ってきた作品をどうやったら残すことができるのかという話を随分したんですよね。やっぱり、ディズニーがディズニーでいられたのはディズニーランドのおかげだというところから、ジブリにもジブリパークを作るというのは選択肢としてあるのかなと考えたのが始まりでした。」

上村さん:「構想も含めて、ジブリパークの事業に取り組んでみて良かった点はありますか?」

宮崎監督:「ジブリパークができたということが、良かった点です。こんなにたくさんの方がジブリパークを喜んでくださったり、足を運んでくださっていることが、すごく嬉しい驚きだったんです。『楽しかったな』と言ってもらえるのが一番嬉しいです。お客さんの顔を見ていて、皆さんニコニコして帰ってくださる姿を見るのが、僕らにとって一番嬉しいことです。」

ジブリパークの新しいチケットについて、おすすめを教えてください。

宮崎監督:「僕のおすすめは『さんぽ券』なんですよ。屋外のエリアの中に入れますし、ふらっと公園を散歩するような気分で来ていただけるチケットだと思っているので。シンプルだからこそ、気軽に使えるチケットだと思います。」

今後の“新しい展示”を教えてください。

宮崎監督:「『ジブリの大倉庫』の大きなリニューアルは来年以降になると思いますが、3月16日の『魔女の谷』オープンにあわせて、大倉庫のなかにいくつかの展示を少し足しています。もう…鳥ばっかりです。(笑) あと、白い大根を置いてきました。」

今後、ジブリパークをどのような施設にしていきたいですか。

宮崎監督:「愛・地球博記念公園があってのジブリパークだし、逆に将来的にはジブリパークがあっての公園だという風になっていけば良いんじゃないかと思っています。ジブリパークと公園が一体になって、公園そのものをさらに良くしていきたいです。『サツキとメイの家』って、思えば2005年の『愛・地球博』のときに建てたものなので、もう20年近く経ってるんですよね。この後、また20年後があっという間だったと感じる日が来たら良いなと思いますし、20年、100年と迎えられると嬉しく思います。」

ジブリパーク施設説明会にて撮影
(左から)愛知県の大村秀章知事、宮崎吾朗監督
撮影:Webサイト『映画とわたし』

最後に、宮崎吾朗監督と大村秀章知事のフォトセッション、質疑応答が行われ、約50分間の施設説明会は新エリア「魔女の谷」、そしてジブリパークへの期待感に包まれながら幕を下ろしました。

取材・文/ Maika (Webサイト『映画とわたし』)

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この記事を書いた人

【取材、撮影、記事作成など、Webサイト『映画とわたし』に関わる全てのことを担当】

兵庫県神戸市出身、関西大学卒業。大学在学中にシンガーとして音楽活動を開始。CDリリースや数々のアーティストのバックコーラスを経て、ディズニー映画『美女と野獣』の日本語版デュエットソングDAMガイドボーカル(第一興商)を務める。卒業後は、関西のマスメディアで業務に携わり、2019年には神戸のラジオブースでパーソナリティとして活動。
2022年には、阪神百貨店で開催されたバレンタイン催事のイメージソング『Strawberry』を制作。Webメディア『映画とわたし』の運営を中心に、記事掲載や写真・動画撮影、音楽を通してモノやコトの魅力を発信中。