《村瀬継蔵 監督、佐藤大介さん 登壇》映画『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』大阪アジアン映画祭 舞台挨拶レポート【主題歌は DREAMS COME TRUE「Kaiju」 監督の《50年の夢》が詰まった作品】

映画『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』舞台挨拶にて撮影
撮影:Webサイト『映画とわたし』

2024年3月2日(土)、映画『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』が第19回大阪アジアン映画祭内で初上映され、シネ・リーブル梅田(大阪市北区)で行われた上映終了後のトークイベントに村瀬継蔵監督、プロデューサーと特撮監督を務めた佐藤大介さんが登壇しました。本作は、『ゴジラ』シリーズや『大怪獣ガメラ』『仮面ライダー』など 数々の特撮作品で特殊造形を手掛けてきた造形家・村瀬継蔵氏が、構想50年の企画を映画化したオリジナル作品。特撮映画における着ぐるみ造形の基礎を築いた“怪獣造形界のレジェンド”が初めて総監督を務めたことで、劇場公開前から大きな話題を集めています。

映画『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』舞台挨拶にて撮影
撮影:Webサイト『映画とわたし』

会場を埋め尽くす来場者の盛大な拍手と声援のなか、村瀬継蔵監督と佐藤大介さんが登場!「本日が映画『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』のワールドプレミアという形で、一般のお客さまにはじめて観ていただく機会となっております。楽しんでいただけたら、幸いです!」と佐藤さん。続いて村瀬監督が「皆さん、こんにちは。今日、こうやって大勢の方にご来場いただきましたこと、本当に嬉しく思っております。ありがとうございます。」とコメントしました。

映画『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』舞台挨拶にて撮影
撮影:Webサイト『映画とわたし』

本作は、1970年代に香港・ショウブラザーズに依頼され、書き留めたプロットを基に作られたオリジナルファンタジー映画。村瀬監督は「22時すぎから朝の3時ごろまで毎日、約2年間、仕事をやりながら頑張って台本を書きました。」と当時のことを振り返りながらコメント。 “いつか映画にしたい” と その構想を温めていましたが、なかなか実現には至らず半世紀の歳月が流れました。佐藤さんは「テレビのドキュメンタリー番組に出演した際に、番組関係者の方から『映画にしてみてはどうか』という話があり、そこから監督と二人で話をして映画化が決定しました。脚本の作業をスタートした当初は村瀬監督が最初に書いたプロットを現代版にアレンジしていましたが、『現代の子どもたちが楽しめる作品にしたい』という監督自身の想いを尊重して、映画のなかに大元の『カミノフデ』を残しながら、最終的な映画の構成になりました。」と本作が誕生するまでの過程と、映画作りに意欲を燃やし続けた村瀬監督の挑戦が身を結び、遂に映画化が実現したことの喜びを話しました。

映画『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』舞台挨拶にて撮影
撮影:Webサイト『映画とわたし』

本作のスタッフには、日本を代表する特撮クリエイターたちが集結。着ぐるみとミニチュアによるアナログ特撮の表現がありつつも、最新のエフェクト効果や合成技術を用いた独特な味わいを持つ映像を作り上げました。村瀬監督は「山あり谷ありで非常に大変だったんですけれども、皆さんのお力をお借りして“映画を作る”ということが具体的になりました。」とコメント。佐藤さんは「最初は短編作品の予定だったのでクラウドファンディングの準備をはじめたのですが、2020年の春にコロナ禍に突入してしまいまして…。それから完成までに4年の歳月がかかりましたが、その間に斎藤工さんをはじめ色々な俳優の方が『村瀬さんが監督をやるんだったら、出演しますよ!』と言ってくださり、話がどんどん大きくなっていき、最終的に主題歌がDREAMS COME TRUEさんという、もう奇跡のようなコラボをしてくださって。」と、コメント。

DREAMS COME TRUE

本作の主題歌は、村瀬監督からの熱い要望で、自身と同郷(北海道・池田町)の DREAMS COME TRUE 吉田美和さんにオファー。中村正人さんも、村瀬監督がこれまでに手がけた怪獣造形の大ファンであったこともあり快諾。この映画のために新曲「Kaiju」(作詩:吉田美和 作曲:吉田美和 編曲:中村正人) を書き下ろしました。村瀬監督は「吉田さんが『私たちも一緒に協力して、良い作品になったらいいね。』と言ってくれたんですよ。中村さんも『村瀬さんと一緒にやりたいから、ぜひ主題歌を作らせてください!』と言ってくれて、主題歌をお願いしました。」と笑顔でコメント。佐藤さんは「DREAMS COME TRUEのお二人には、本当に素晴らしい楽曲を作っていただいて。一番最初に聞かせていただいた時に、大泣きしてしまって…。怪獣ファンのため、そして怪獣を作っている人間のためのものでもあり、なおかつ村瀬監督の見てきた景色を歌っている曲で、本作にふさわしい主題歌になったと思っています。」とコメントしました。

村瀬監督は「造形の仕事をしている人たちのためにも、将来ずっと残していきたいなという恩返しのつもりでこの映画を作りました。大勢の方に助けていただいて完成した映画です。本当にありがとうございます。歳のこともあって最初で最後の監督作品だと言われましたが、今になって考えてみると次も何かやってみたいな…という気持ちになりましたね!」と、次回作への意気込みを力強くコメントし、約20分間にわたる舞台挨拶イベントは大きな盛り上がりと作品への期待感に包まれながら幕を下ろしました。

映画『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』舞台挨拶にて撮影
撮影:Webサイト『映画とわたし』

取材・文/ Maika (Webサイト『映画とわたし』)

『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』作品詳細

■STORY■

特殊美術造形家・時宮健三が亡くなった。祖父である時宮の仕事にあまり良い思い出がなかった朱莉は、複雑な心境でファン向けのお別れ会を訪れていた。そこには特撮ファンである同級生の卓也の姿もあった。朱莉と卓也は、時宮が作ろうとした映画『神の筆』に出演する予定だったという穂積と名乗る男と出会う。祖父が映画を作ろうとしていたことを初めて知る朱莉。穂積は、おもむろに鞄から『神の筆』の小道具である筆を手に「世界の破滅を防いでください」と話すと、その言葉とともに朱莉と 卓也は光に包み込まれた。気づくと二人は映画『神の筆』の世界に入り込んでいた。そして、映画に登場しないはずの怪獣ヤマタノオロチがこの世界のすべてを破壊し尽くそうとする光景を目の当たりにする。 元の世界に戻るため、二人は時宮が作るはずだった映画『神の筆』の秘密に迫っていくのだが…。

2024年 夏 全国劇場公開

原作・総監督:村瀬継蔵
プロデューサー・特撮監督:佐藤大介
キャスト:鈴木梨央、楢原嵩琉、斎藤工、釈由美子、佐野史郎 ほか
脚本:中沢健
制作:ツエニー
制作協力:ロスガトスワークス スーパービジョン
配給:ユナイテッドエンタテインメント

©︎2024 映画「カミノフデ」製作委員会

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この記事を書いた人

【取材、撮影、記事作成など、Webサイト『映画とわたし』に関わる全てのことを担当】

兵庫県神戸市出身、関西大学卒業。大学在学中にシンガーとして音楽活動を開始。CDリリースや数々のアーティストのバックコーラスを経て、ディズニー映画『美女と野獣』の日本語版デュエットソングDAMガイドボーカル(第一興商)を務める。卒業後は、関西のマスメディアで業務に携わり、2019年には神戸のラジオブースでパーソナリティとして活動。
2022年には、阪神百貨店で開催されたバレンタイン催事のイメージソング『Strawberry』を制作。Webメディア『映画とわたし』の運営を中心に、記事掲載や写真・動画撮影、音楽を通してモノやコトの魅力を発信中。