映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』が 2024年2月23日(金・祝) に劇場公開されます。本作は、10年以上にわたり FIFAランキング最下位、世界最弱と言われた米領サモア・ サッカー代表チームが 2014年FIFAワールドカップブラジル大会予選で初の勝利を勝ち取った奇跡の実話をもとに映画化したもの。『ジョジョ・ラビット』や『マイティ・ソー』シリーズで知られるタイカ・ワイティティ監督が、独自の世界観とユーモアを交えて描き出す、心揺さぶるヒューマンドラマです。
公開に先立ち、『ネクスト・ゴール・ウィンズ』(2D 字幕版上映) の試写会が開催されました。本記事では、本作の見どころをはじめ、多方面から作品の魅力に迫ります。
■STORY■
2001年のW杯オセアニア予選で米領サモアチームは対オーストラリア代表戦で0-31という記録的惨敗を喫して以来、その呼び名は「世界最弱チーム」。2014年W杯予選では長年の汚名を晴らす1ゴールを決めたい…が、南太平洋ののどかな島国に暮らすアマチュア集団の彼らにとって、勝利は遥か彼方…。
そんな彼らをイチから叩き直すため、米国サッカー連盟が派遣したのは、トーマス・ロンゲン。選手としても指導者としても実力は十分。ところが、人生の試練の後、感情のコントロールがきかなくなり、サッカー連盟から追放寸前だった。はたして、のんびり個性派サモワチームと暴走熱血コーチのラストチャンスはいかに!?
スポーツの《本質》に近づくことのできる、本当にあった奇跡の物語
『ネクスト・ゴール・ウィンズ』の舞台
時は2001年4月11日、オーストラリアのコフスハーバーにあるインターナショナル・スポーツ・スタジアム。 オーストラリアはサッカーの国際試合で 31対0 の大勝利を収め、世界記録を樹立。 対する米領サモアは、ワールドカップにおける史上最悪の敗北となり「世界最弱チーム」と呼ばれる事態に ー。
それから約10年後の 2011年11月、ついに状況が変わり、オセアニア・サッカー連盟 (OFC) ワールドカップ予選で米領サモアはトンガに 2対1で勝利。史上初の国際的勝利を達成します。この出来事こそが、 本作 『ネクスト・ゴール・ウィンズ』の舞台です。
“ユーモア”あふれる演出と世界観
本作では、これらの実際に起こったエピソード、トーンや温かさを保ちながらも、観客が思わず笑ってしまうようなユーモアあふれる音や演出がテンポ良く練り込まれています。それは、どこか昔から馴染みのある“喜劇”を見ているようで、ちょっぴりスパイシー。なかには、思わずツッコミを入れたり、ズッコケたくなるような愉快な場面も!
この映画に登場するユーモアとは、“負けを知る”からこそ響くもの。そして、監督やキャストをはじめ映画に携わるすべての人たちが、国の伝統や文化、風習を深く理解しているからこそ生まれるハートフルなもの。ドキュメンタリーを超えて、リメイク版だからこそ表現できる《エンターテイメント》の輝きを感じました。
温かい心と《心地良い勇気》をもらえる作品
米領サモアの文化では、男性と女性の世界を行き来する流動的な性別を持ち、一人の人間の中に二つの精神が共存している存在を“ファファフィネ”と呼びます。FIFAワールドカップ予選で、“ファファフィネ”の選手が初めて公式戦に出場した実話は、本作を語る上で欠かせません。また、厳しい勝負の世界を生き抜いて心に傷を抱えた孤独なコーチと、のどかな島国の選手たちとの対比や心の変化も見事に表現されています。誤解やプライドが邪魔をして派手にぶつかり合いながらも、一つの“チーム”として成長していく姿に《心地良い勇気》をもらいました。
スポーツをテーマにしたドラマチックな実話は、これまでも数えきれないほど映画化されてきました。しかし、“世界最弱”と呼ばれながらも決意を新たに前を向き “奇跡” を起こしたチームの物語ほど、シンプルにスポーツの《本質》に近づくことのできる作品はないかもしれませんー。
『ネクスト・ゴール・ウィンズ』作品詳細
2024年2月23日(金・祝)
劇場公開
■監督/脚本/製作:タイカ・ワイティティ
■出演:マイケル・ファスベンダー、オスカー・ナイトリー、カイマナ、エリザベス・モス ほか
■配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
■北米公開:11月17日
■製作年:2023年
■製作国:イギリス/アメリカ
■原題:Next Goal Wins
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