主演・坂口健太郎、『湯を沸かすほどの熱い愛』以来、10年ぶりの完全オリジナル脚本となる中野量太が監督を務める映画『私はあなたを知らない、』が、2026年8月28日(金)より全国公開となります。
7月28日(火)、本作の大阪舞台挨拶が大阪ステーションシティシネマ(大阪市北区)にて行われ、主演・坂口健太郎さんと中野量太監督が登壇しました。本記事では、イベントの模様の一部をお届けします。
観客から盛大な拍手で迎えられる中、坂口さんと中野監督が登場。坂口さんは「こうやって皆さんに、やっと作品をお届けできることを光栄に思いますし、とても感慨深いです」と喜びを語りました。中野監督は、自身を“エゴサの鬼”と表現しながら、前日に東京で開催された試写会上映後に感想を検索したことを明かし「好意的に面白いと書いてくださっているものが多くて、ちょっと安心しています」と笑顔を見せました。

坂口さんは、東京での舞台挨拶を終えた後、その日のうちに大阪入り。夜には街へ出て、少しだけお酒を楽しんだそうで「オリーブを二つくらい食べて、終わりました(笑)」と告白。さらに、本イベント前には通天閣周辺の純喫茶で撮影を行ったことも明かし「もうドッカンドッカン笑いが…僕のトーク力で。もう通天閣が震えるぐらい、笑いが起きてすごかったんですよ!」と冗談を交えてコメント。すると、中野監督も「僕はホテルで取材を受けていたら、遠くに見える通天閣がこう…」と乗っかると、坂口さんは「現場でもこうだったんです。僕がボケて、監督はそのボケに対してもうひとボケかぶせてくる感じだったんで。でもそんな映画ではないです」と強調。明るい舞台挨拶とは対照的に、本編では人間の愛情や孤独、憎しみなどを描いた重厚な物語が展開します。

中野監督(左)と坂口さん(右)
本作で坂口さんが演じるのは、狂おしいまでに”家族“という幸せの形を追い求め、愛する人を殺めてしまうという重い罪を犯してしまった孤独な青年・西山夕平。天涯孤独の身で、決められたルーティンの中で生きてきた彼の人生は、パート職員・紗月との出会いをきっかけに一変。彼女と5歳の娘・朝子との生活の中で初めて“家族”という幸せの形を知り、心を開放していきますが、その幸せは思いもよらぬ悲劇へとつながっていきます。
最初に台本を読んだ際の印象について、坂口さんは「愛情の深さ、悲しみ、苦しみ、あとちょっとした生々しさのようなものを感じたんです」とコメント。その“生々しさのようなもの”の中には、人には見せたくない部分や、隠しておきたい感情も込められているように感じたそうで「監督が丁寧に、雄平という存在を通して物語を作ってくれたことに、覚悟のようなものを感じたというか。ぜひご一緒させていただきたいと思いました」と振り返りました。
一方、中野監督は本作の主人公を坂口さんに託した理由について「雄平はさみしさや憂いを背負いながら、東京の片隅で生きている人物です。坂口さんはもちろん見た目も格好いいんですけど、その裏側に何かを背負っているようなさみしさや影を感じていて、そこの部分を生かすことができれば、この役は絶対に面白くなるなって思いがありました」と話しました。

本作では過去の記憶をたどるように物語が進み、坂口さんは20代から40代の雄平を演じます。長い年月を表現するうえで、坂口さんはまずビジュアルや体格面を意識したそうで「雄平の持つ情けなさや頼りなさを表現するため、体重を落として撮影に臨みました」とコメント。さらに、共演者と実際に芝居をする中で「(相手の)声をしっかり聞いて、表情をしっかり見届けて。現場で初めて生まれるものを一番大事にしていたかもしれないですね」と振り返りました。
中野監督は、オリジナル脚本ならではの難しさについて「決まった答えがないんですよね。僕も答えを持ってるつもりだけど、それは紙の上で書いたものしかなくて」と触れた上で、実際に坂口さんの姿をカメラ越しに見ることで「僕が描いた雄平が実際に現れて、どんどん坂口さんと一緒になっていくようで。ただ雄平になるだけではなく、そこからの変化も見事に演じてくれました」と称賛。現場では坂口さんと何度も話し合いながら「雄平という人物を一緒につくっていった感覚が強いです」と振り返りました。

さらにイベントでは、7月28日=“なにわの日”にちなみ「私は○○を、知らんけど、」をテーマにしたフリップトークを実施。坂口さんは《坂口くんがするボケに乗っかると、スベルらしい。知らんけど》という言葉を披露。坂口さんによると、撮影現場などで自身のボケに乗ると滑ると言われることがあるそうで、中野監督からは「知ってるよ」と即座にツッコミが入り、会場は笑いに包まれました。
さらに、わずか2分ほどで描いたというパンダの完成度の高さにも注目が集まり、パンダを描いた理由については「面白いかなと思っただけで、意味はないです。大阪といえば…でもないじゃないですか(笑)」と回答。すかさず中野監督から「そこで、知らんけどを使う!」とアドバイスをもらった坂口さんは「あぁ、そういう使い方なんだ!一つ勉強になったかも」と何度も頷きながら答えました。
最後に、これから作品を鑑賞する観客に向けて、中野監督は「とても力のある作品に仕上がったと思います。鑑賞後に面白いと思ったら、SNSや映画レビューサイトなどへ率直な感想を書いていただきたいです。どうぞこの映画をみなさんで一緒に盛り上げてください!」と呼びかけました。坂口さんは「例えばこの作品が“木”だとすると、それを育てて、水をあげてくださるのは皆さんのお力を借りて…ということになります。どんなにいい作品を作って、どんなに素敵な環境だったとしても、映画を見てもらって初めて価値になると思っていて。この作品をすくすくと大きく太い幹にしていただけたら嬉しいです」と力強くコメントし、温かな拍手が送られる中イベントは幕を下ろしました。

取材・撮影・文/ Maika (Webサイト『映画とわたし』)
作品詳細

『私はあなたを知らない、』
●Story●
西山夕平(28)は天涯孤独の身。粛々と働き、自分の中で決められたルーティンで生活をし、たった一人のその環境を
寂しいとも感じずに生きてきた。職場にやってきた新しいパート職員・紗月と出会うまでは。彼女と出会い、生きる喜びを得て夕平の毎日は輝いていった。そしてある日、紗月から自分の5歳の娘・朝子を紹介される。彼女は実はシングルマザーだった。紗月と朝子との生活が、これまで知らなかった“家族”という幸せの形を知り、夕平の心を開放していくが・・・。
2026年8月28日(金)より
全国ロードショー
<キャスト&スタッフ>
坂口健太郎
早瀬憩 堀田真由 倉田瑛茉
稲垣来泉 和田光沙 片山友希 畦田ひとみ 田牧そら
渡辺真起子 足立智充 黒田大輔
滝藤賢一 / 原田美枝子
原案・脚本・監督:中野量太
製作:「私はあなたを知らない、」製作委員会
共同製作:Pyramide Productions
制作プロダクション:パイプライン
製作幹事・配給:クロックワークス
©IDKYPs./Pyramide Productions

