安田章大が“作品のメッセージを届けたい”と初めて企画から参加し、のんとW主演を務め、『かぞくのひけつ』(06)で鮮烈なデビューを飾って以来、着実にキャリアを積み重ねる小林聖太郎監督がメガホンをとった『平行と垂直』が、昨日より全国公開となりました。
本作は、⾃閉スペクトラム症の兄の大貴(だいき/演:安田章大)と、兄を幼い頃から⽀えてきた妹の希(のぞみ/演:のん)の兄妹が、希の結婚話をきっかけに、お互いのこれからとこれまでに向き合うことになる心あたたまるヒューマンドラマ。初共演となる安田とのんが生み出す、ふたりにしか出せない空気感に絶賛の声が相次いでいます。
公開初日の8月28日(金)に、なんばパークスシネマ(大阪市浪速区)にて、安田さんと小林監督による初日舞台挨拶が行われました。本記事では、イベントのオフィシャルレポートをお届けします!

公開を迎えた喜びを語る!
満員のお客様に大きな拍手で迎えられ、安田と監督が登壇。安田は「公開の初日が来ました。幸せです。これから幸せをたくさん届けたいと思います。本日はありがとうございます。」と感謝を述べた。続けて監督も「金曜日の貴重な時間に見に来ていただいて、ありがとうございます。短い間ですが、お付き合いください。」と挨拶した。
7月上旬には、本作の撮影地でもある堺市でジャパンプレミアを行った二人。再び大阪に凱旋した今の心境について、安田は「迎えてくださる方がいるというのが、一番帰って来られる理由なので。それが幸せですね。特にこのなんばは、お客さんが全然入らへん時代を乗り越えてきた街なので…今こうやって皆さんがこの映画を追いかけてきてくださっていること⾃体を嬉しく思います。」と喜びをかみしめ、さらに監督は「大阪球場があったな~と思いながら歩いてきました。有難い気持ちと懐かしい気持ちを持っています。」と感慨を述べた。

朝から生放送への出演や舞台挨拶など、一日を通してプロモーション活動を行った安田は、「人の話し声とか対応の仕方が、めちゃくちゃ分かりやすく関西帰ってきたなと思いますね。」と改めて実感した様子。関東と関西で感じる違いについても話が及び、安田は「現地のスタッフの皆さんの話しを聞くと、あぁ関西やな、落ち着くなと思いますね。」と話す。監督は「商店街を探すためにロケハンをしていた時に、急にお姉様に呼び止められて。『力ないから、シャッター開けられへんねん。開けて~』って言われて、開店作業をそのまま3人くらいで手伝ったことがあって。その時に大阪やなぁと思いました。」と、それぞれ関西ならではのエピソードを披露した。

そして、本日いよいよ公開を迎えたことについて、改めて現在の心境を聞かれると、安田は「0から1を生み出してくれた山野海に感謝。そこから広げ方を調べてくれて、頼りになる小林監督の作り方なんだなぁ。と思います。この2個ですかね。」と現在の率直な思いを吐露。監督も「ホッとしている、安堵が一番大きいですね。勿論、不安はありますけど、色々な方の反応が出始めてようやく初日を迎えられたという安心感が一番ですね。」と、長い時間をかけて完成させた本作が、いよいよ観客のもとへ旅立ったことへの思いを寄せた。
続いて、本作の制作についてトークが展開。初めて企画段階から映画に参加したことについて安田は「世の中がもうちょっと、分かりやすく変わっていく必要があるなと思いまして。人と人が知っていくこと、そこから助け合える環境を作っていったり、相手を知ることによって寛容的になれたり、そういういい効果が世の中に広がっていってほしいと思っていました。人それぞれ全然違ったりするのを、『変ですよね。』という風に受け取られることが多い世の中に違和感を感じていたんです。だからこそ、それぞれの普通に対して、否定や貶すことなく、受け止めて会話ができるようになったらいいな、と思っています。」と作品に込めた思いを語った。
そんな安田の熱い思いを受け、監督は「実は、はじめは怖気づいたというか、本当に⾃分にこういう題材を描く資格があるんだろうか。と踏みとどまる感じがあったんですけども、主人公の大貴という青年が、ASDを持っているけれど、コミュニケーションが少し苦手なだけで、そこらへんに普通にいる青年だというところがとてもいいなと思ったんです。さらに、その隣に寄り添う人が、もう一人の主人公である。この2点にとても惹かれたところですね。」と本作への参加を決意した理由を説明。
完成した作品を改めて観た感想について、安田は「会話しているときの、実際にしゃべっている声じゃないところに含まれている情報量にびっくりしました。台本に書かれている行間とかト書きがこんなに膨らんでんねんな。と感じました。」と感動した様子。監督は「今ね、ちょっと封印してるんです。編集中に何回も見るじゃないですか。で、その後1・2回見て、そこからもう今まで 1 か月ぐらいあえて本編を見てないんですよ。次見たときにどう感じるか。ちょっと今おいてます。」と、語った。

そしてここで、公開初日を迎えた二人を祝福するため、サプライズゲストが登場!本作で安田演じる大貴の近所に住む5歳の女の子・安藤紗奈役を演じた河野咲良が登場すると、会場からは大きな拍手と「かわいい~!」という声が送られた。そして、公開初日を祝して、河野から2人へ花束を贈呈。
河野も会場の観客に向けて、「安藤紗奈役の河野咲良です。よろしくお願いします。」と緊張しながらも挨拶。

突然のサプライズに、安田は「かわいい。花の妖精が歩いてきたみたいですね。」とデレデレな様子。監督も「撮影の12月と比べると、大きくなってる。成長が早い。」と、うれしそうな表情を浮かべた。
本作への出演について、緊張した河野に安田が「どうやった?正直に何でも言ってええで。」と優しく声をかけ、河野は「楽しかった。四角いおにぎりと卵焼きがおいしかったです。」とはにかみながらも回答。さらに、作中では安田演じる大貴とのシーンが多かったことから、撮影現場での安田について聞かれると、「優しくてかっこよかったです。」と共演エピソードを披露。すると、「それ台本ないか?」「ささやき章大せぇへんで。」と安田と監督が会場の笑いを誘った。
そして、安田は撮影時の河野とのエピソードを聞かれ、「僕の写真集をあげたんですよ。そしたら、『こっちの髪型も似合うなぁ。』って、場を和ましながら意見を言ってくれたり、あと抱っこしながら着替え場にも行ったやんな。」と、和やかな現場の様子が伝わるひと幕となった。
続いて、河野が演じた安藤紗奈について、安田は「大人でも長台詞って大変なんですよ。それこそ1分くらいのシーンの時とか、だれでも簡単にできないことをやってたやんな。そんな姿を見てたんで、素敵やなぁと思って。」と、撮影時とはまた違った視点で完成した作品を観たことで感じた河野の演技や存在感に触れた。監督も「不思議な彼女にしかない間があって、それがすごい応援したくなるんですよ。」と、安藤紗奈というキャラクターが本作の中でどのような存在として映っているのか、その魅力を語った。
楽しいトークが続いた舞台挨拶も、いよいよ終了の時間に。最後に監督は「ぜひ周りの方にどんな思いを受けたか伝えていただけるとすごく嬉しいなと思います。山野さんと安田くんが作り上げた球をみんなで大玉転がしみたいに転がしながら、ちょっとずつ大きくして言って。皆さんにその球が伝わってさらに先に広がっていくと嬉しいなと思います。」と、本作を劇場で観る観客へ向けてメッセージを送った。続いて河野も「皆さん、映画を楽しんでください。」と、可愛く観客へ呼びかけた。
そして最後に安田が「映画を楽しんでほしいです。一つ一つ積み上げてきたものなので。たった今から僕たち作った側の手を離れて、育ててもらえる時間に変わっていきます。生んだ作品は必ず育ってほしいと思うのが親の気持ちだなと、あらためて実感しています。人と人がつながることで生まれる愛の深さ、思いやれる感動をぜひ体験して、⾃分も行動しようと感じてもらえたらなと思います。人に感謝をし、そして人のことを思い、他者の言ってくれることに傾聴する。そして向き合うならしっかりと待つこと、待った後に表現し、キャッチボールをしてください。そして、これからも一生懸命届けていく僕たちの背中、そしてこの映画を広げていってください。」と思いを伝え、舞台挨拶は大きな拍手の中、幕を閉じ、公開初日にふさわしい、温かなイベントとなった。
『平行と垂直』
●物語●
⾃閉スペクトラム症の大貴と、兄を幼い頃から⽀えてきた妹の希。兄妹は幼い頃に⺟親を亡くし、ネグレクト気味の父親から距離を置き、二人で懸命に⽣きてきた。
大貴はほとんど会話をせず表情もあまり変わらないように見える。グループホームから⾃立を目指して、一人暮らしを始めた大貴は独⾃の規則を持っている。全てを平行と垂直に並べるほど几帳面でこだわりが強く、机に並ぶ⾷器も丁寧に揃える。週に一度の希との⾷事の時間は決まって19:00。1分でも過ぎると落ち着かなくなる。
カウンセラーの仕事をしている希は恋人からプロポーズを受け、一抹の不安を抱えながら兄と共に、婚約者の両親に会いに東京へ行くことに・・・。
⾃閉スペクトラム症 (ASD)は、社会的コミュニケーションの難しさと、興味・行動の偏りや感覚の特性が、発達早期から持続する発達障害の1つである。知的水準や言語、生活上の困りごとは多様で、⽀援により適応は改善する。⾃閉症を中核概念に障害の表れを一つの連続体(スペクトラム)として診断される。
全国公開中!
出演:安田章大 のん
伊島空 高山トモヒロ 谷村美月 福田転球 芦川誠 早織 久保田磨希
河野咲良 髙田幸季 武藤凪 林英世/神野三鈴 菅原大吉
監督:小林聖太郎
原案・脚本:山野海
音楽:富貴晴美
主題歌:浮 with 安田章大「話そう」
企画:安田章大
企画プロデュース:佐藤現
製作:「平行と垂直」製作委員会(東映ビデオ、アスミック・エース、メディアプルポ、中京テレビ、テレビ大阪、ストームレーベルズ、ローソン、東映シーエム)
特別協力:大阪府堺市
取材協力:さくらんぼ教室、NPO法人アスペ・エルデの会、NPO法人PDDサポートセンターグリーンフォーレスト
後援:日本発達障害ネットワーク、日本⾃閉症協会
制作プロダクション:セントラル・アーツ
製作幹事・配給:東映ビデオ
©2026「平行と垂直」製作委員会
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