2023年3月4日(土) 〜5月14日(日) の期間、兵庫県立美術館で開催されている 特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」。
本展は、これまで美術館で取り上げられる機会があまりなかった“恐竜”に着目した展覧会。過去200年に描かれたパレオアート(古生物美術)の名作や珍品など、約150点が展示されています。
開催に先駆けて、3日(金)に記者内覧会が行われました。特別ゲストの恐竜くんは、展示されている作品を前に、「本物を見てこそのパワーを感じてほしい!」と本展への想いを力強く語りました。
本記事では、記者内覧会で撮影したお写真とともに、展覧会の見どころや情報をたっぷりとご紹介します!
化石や骨のない“美術館の恐竜展”、いざ開幕!
人類が誕生する遥か以前、中世代(約2億5000万年前〜6600万年前)の地球を支配していた恐竜たち。現在、彼らを実際に見ることは不可能ですが、その姿を再現しようという試みは 恐竜という存在が”発見”された19世紀の前半以来から絶え間なく続けられてきました。
会場では、過去200年に描かれたパレオアート(古生物美術)の名作や珍品の展示を含み、全4章で構成されています。
まず、本展の冒頭を飾るのは、19世紀の恐竜”発見”から間もない時期に描かれたパレオアート黎明期の作品群です。
中でも特に注目したい作品は、会場に入ってすぐ目に飛び込んでくる大きな絵画。これは、地質学者ヘンリー・デ・ラ・ビーチの原画による≪ドゥリア・アンティクィオル(太古のドーセット)≫という作品で、英国の女性化石採集者 メアリー・アニングの功績をたたえるために制作された版画です。古生物の生態を復元した、史上初の絵画のひとつと言われています。
19世紀の復元画をよく見てみると、現代の我々にとっては奇妙に映る描写も多くあります。しかし、歴史的価値とともに、その奇妙さもまた魅力の1つ。
限られた情報のもと、想像をはばたかせて太古の世界を描き出した初期のアーティストたちのイマジネーション豊かな作品の数々をお楽しみください。