映画『イマジナリー』が 2024年11月8日(金) より全国公開となります。本作は、『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(23)や『M3GAN/ミーガン』(22)などのヒット作で知られるブラムハウスが、ライオンズゲート、監督・脚本のジェフ・ワドロウとタッグを組んだオリジナルホラー最新作。少女の無邪気な心が生み出した‟空想の友達”は、本当に空想の産物にすぎないのか、それとも恐ろしい何かが身を潜めているのだろうかー。
■STORY■
夫と継娘2人と共に暮らしながら、毎晩見る悪夢に苦しんでいた絵本作家のジェシカは、環境を変えるため幼い頃に暮らしたかつての家へと引っ越す事を決める。懐かしさの残る家の地下室で、末の継娘アリスが見つけたのは、古びたテディベアだった。
「わたしの親友になってね ずっと一緒だよ」「クマちゃんが “秘密の遊び”をしたいって」
新しい友達“チョンシー”に異常な愛情を抱くようになるアリス。最初はただの遊びだと思っていた〈宝探しゲーム〉も次第にエスカレートし、邪悪さを増していく。このテディベアは普通じゃない――そう気づいたとき、衝撃の真実と恐怖が家族に襲いかかる。
‟テディベア”がもたらす恐怖
物語は、ジェシカ(ディワンダ・ワイズ)が 夫と2人の継娘とともに、自身が幼い頃に暮らした家に戻ってくるところから動き出します。下の娘であるアリス(パイパー・ブラウン)は、地下室で古びたテディベアを見つけて“チョンシー”と名付け、愛着を示します。しかし、アリスがチョンシーと楽しそうに遊んでいる「宝探しゲーム(※1) 」は、次第に“遊び”から“邪悪なもの”へと変化。アリスの行き過ぎた行動に強い不安を覚えたジェシカは、原因を探るうちにチョンシーが“ただのぬいぐるみではない”ことに気付き、ずっと封印されていた自身の過去と向き合うことになります。
『イマジナリー』というタイトルからも連想できるように、印象的なテディベアがもたらすものは私たちの《想像力》によって定義される《恐怖》であるという点が最大のポイント。チョンシーの不気味ながらもかわいらしい見た目も相まって、そのギャップが物語に複雑さと奥行きを与えています。
チョンシーの外見は、定番でありながら悲しい表情をしたテディベアをテーマに製作。観客にチョンシーの不気味さを感じさせるべく、目が左右で違っていたり、耳がどこかずれていたり、口元が若干歪んでいたり…。チョンシーが“ただのぬいぐるみではない”ことをほのめかしています。何かがおかしいことを観客に気付かせつつ、何がおかしいのかは明かさないという、製作陣のこだわりにも注目です◎
(※1)リストに書かれた物を集めて得点を競う遊び
人間の‟想像力の豊かさ”を題材にした、実は奥深い物語
人間は想像することができて、現実味のある空想を創り出すこともできます。『イマジナリー』は、そんな人間の想像力の豊かさを題材に、幼少期の記憶がその後の人生を左右するということを容赦ない恐怖の物語として描いた作品です。テディベアのチョンシーが子供の想像力につけ込む邪悪な《存在》として描かれ、トラウマや記憶を刺激させるのです。幼少期の無邪気で温かい思い出が、いつしか不気味で心がざわつくような恐怖の源になっているー。私たちの中に今もいる“子供のままの自分”が、『イマジナリー』に触れることでザワザワと動き出すかもしれません…。
物語では、絵本作家のジェシカを中心に、2人の継娘、夫、元妻、隣人、さらにジェシカの父親といった登場人物たちの感情にも深く追求し、丁寧に描写。それらは、私たち観客の感情にもアプローチし、様々なシーンで‟想像”させようと迫ってきます。想像と現実を行き来する、実に奥深いホラー作品だと思います。
文/ Maika (Webサイト『映画とわたし』)
作品詳細
2024年11月8日(金)
全国劇場公開
監督:ジェフ・ワドロウ
脚本:ジェフ・ワドロウ、グレッグ・アーブ、ジェイソン・オレムランド
出演:ディワンダ・ワイズ、トム・ペイン、テーゲン・バーンズ、パイパー・ブラウン
原題:IMAGINARY
配給:東宝東和
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