エリザベートを取り巻く”キーワード”
■美容とダイエット
身長172cmにして45kg〜50kgの体重、ウエスト50cmほどの体型を維持していたと言われるエリザベート。毎朝毎晩ウエスト・ふくらはぎ・腿のサイズを測り、1日に3度も体重を測定、その数値を記録していました。美容や体型維持のために実践していた過度な食事制限や激しいスポーツは、のちに彼女の心身を蝕むこととなります。
■ヘアスタイル
エリザベートが、毎日の身繕いのなかでも特別手間をかけたのが、膝まで届く豊かな髪。
月に1〜2度、侍女全員で大量の生卵とブランデーを混ぜたシャンプーで髪を洗う”洗髪の儀”が行われていたのだそう。
■乗馬
騎乗狩猟が趣味だったエリザベート。旅行先では乗馬に明け暮れますが、1875年に落馬事故を起こしています。それでも乗馬愛が冷めることはなく、以降も趣味を楽しむ姿が描かれています。
■スミレの砂糖漬け
劇中に登場する「スミレの砂糖漬け」は、エリザベートが愛したお菓子として知られています。王宮 御用達の洋菓子店「デメル(Demel)」のスミレのアイスクリームも皇妃の大好物だったのだそう。
ウィーンでは、現在でもスミレを使用したスイーツが多くの人々に親しまれているのだとか。一度食べてみたいですね…♡
【音楽】監督が惚れ込んだ楽曲『She Was』
クロイツァー監督は、本作のサウンドトラックと言える位置付けに、フランスの人気シンガー・カミーユの『She Was』を起用しています。この曲は、カミーユのアルバム『Ilo veyou』(2011年)に収録されており、監督が自ら選曲したもの。シンプルながらも心に深く突き刺さる不思議なメロディと、曲が進むにつれて力強さが増す歌声に引き込まれていきます。
当初は、カミーユに映画のための新曲を依頼する予定でしたが、彼女の過去の作品に触れ、『She Was』と出会った瞬間に “新曲は必要ない。”と、確信を持ったのだそう。
歌詞には、”She was a swan”、”She was a toad”といった複数の動物の名前が出てきますが、劇中の《衣装デザイン》や当時の女性たちの《髪型》がまるで”動物のように見える”瞬間があり、その完璧で幸運な共通点から楽曲の起用が実現したと明らかにしています。
他にもソープ&スキンの楽曲や、ザ・ローリング・ストーンズの『As Tears Go By』のハープ版カバーなどを所々で起用。特に女性シンガーたちの歌声は、エリザベートの内面を代弁するような響きに満ちており、一層切ない感情をもたらしています。
「エリザベート 1878」作品詳細
2023年8月25日(金)より
全国順次ロードショー
脚本・監督:マリー・クロイツァー
出演:ヴィッキー・クリープス、フロリアン・タイヒトマイスター、カタリーナ・ローレンツ ほか
配給:トランスフォーマー、ミモザフィルムズ
(C) 2022 FILM AG – SAMSA FILM – KOMPLIZEN FILM – KAZAK PRODUCTIONS – ORF FILM/FERNSEH-ABKOMMEN – ZDF/ARTE – ARTE FRANCE CINEMA
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参考文献:”Marie Kreutzer on Vicky Krieps, Camille, and the look of Corsage” Eye For Film (https://www.eyeforfilm.co.uk/feature/2022-12-14-marie-kreutzer-in-conversation-on-corsage-vicky-krieps-as-sisi-singersongwriter-camille-and-the-look-of-the-film-feature-story-by-anne-katrin-titze).