【試写レビュー】映画『ぶぶ漬けどうどす』古都・京都を舞台に、オリジナル企画・脚本で描く奇想天外なシニカルコメディ

©2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会

映画『ぶぶ漬けどうどす』が、2025年6月6日(金)より全国公開となります。本作の舞台となるのは、世界中の人々を魅了し続ける古都・京都。そんな京都が大好きすぎて、この街のいちばんの理解者になろうとした主人公が、思いもよらず引き起こす大騒動を描くシニカルコメディが誕生します!

■STORY■

京都で450年続く老舗扇子店の長男と結婚したフリーライターのまどか(深川麻衣)は、夫の真理央(大友律)の実家を訪れる。マンガ家の安西(小野寺ずる)と組んで、老舗の暮らしぶりをコミックエッセイにしようと取材を始めるまどかに対し、十三代目となる真理央の父・達雄(松尾貴史)や女将である母の環(室井滋)も、快く協力してくれるーー。

見たら最後、京都へ行くのが怖くなる!?

©2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会

《生粋の京都人》から《ヨソさん》まで、すべての人を翻弄する京都という街。知れば知るほど奥深い“京都ならではの風習”を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。『ぶぶ漬けどうどす』の“ぶぶ漬け”とは、“お茶漬け”のことを言い、実はこの言葉には早く帰ってほしいお客に対して「そろそろお帰りください」という意味が隠されているのだそう。本心を隠して遠回しに物事を伝える県民性を表すものとして、上方落語のネタとしても広く知れ渡っている言葉の一つですが、現在では別れ際の挨拶として好意を伝える形式的な言葉という説もあるそうです。

本作では、そんな京都の「本音と建て前」を使い分ける県民性に注目し、その技を器用に駆使する《京都人》と東京から来た《ヨソさん》である主人公との攻防がユニークに描かれます。

「ぶぶ漬けどうどす」って実際に言うの?

洛中と洛外(※1)は対立しているって本当?

どうして1日と15日にお赤飯を食べるの?

何か勧められたらすべて断るのが正解?

(※1)洛中と洛外…洛中は京都市中心部のこと。その周辺を洛外という。

©2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会

監督は、『白鍵と黒鍵の間に』『南瓜とマヨネーズ』の冨永昌敬。その独特なインパクトを放つ世界観の中で、忘れ難い人物像を作り上げてきた冨永監督が、本作でも個性的な登場人物たちを生き生きと描き出します。完全オリジナルの企画・脚本は、『his』『そばかす』のアサダアツシ京都がもう一人の主人公という奇想天外な物語を展開し、冒頭から衝撃の結末まで、見る者を翻弄します。

騒ぎの火種となるのは「本音と建前」を使い分ける県民性
東京からやってきたフリーライターのまどかは、数百年の歴史を誇る老舗の暮らしぶりをコミックエッセイ(=「京都老舗赤裸々リポート」)にしようと、義実家や街の女将さんたちの取材をはじめます。しかし、「本音と建前」の文化を甘く見ていたせいで、気が付けば女将さんたちの怒りを買ってしまうことに。猛省したまどかは、京都の正しき伝道師になるべく努めますが、事態は街中を巻き込み思わぬ方向に…!?

©2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会
©2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会

豪華キャスト陣でおくる、奇想天外なシニカルコメディ
主人公の澁澤まどかを演じるのは、『嗤う蟲』『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』の深川麻衣。まどかの義母である老舗扇子店の女将・澁澤環役には室井滋。また、コミックエッセイの制作にあたりまどかとコンビを組むマンガ家・安西莉子役に小野寺ずる、京都の老舗料亭の女将・竹田梓役に片岡礼子、まどかの夫で扇子店の長男・澁澤真理央役に大友律と、才能あふれる俳優が集結!さらに、まどかたちのコミックエッセイに一風変わった過剰なエールを送る大学教授・中村航役に若葉竜也、環の夫で老舗の“アホぼん”・澁澤達雄役に松尾貴史、京都で不動産業を営むちょっと怪しい男・上田太郎役に豊原功補と、最高峰の個性を誇る俳優たちが、濃密なセッションを繰り広げます。

京都では、他の都道府県とは異なる独自の文化が育ち、人々の間で暗黙のルールとして共有されている慣習がいくつも存在します。その慣習の上に成り立つ日々の暮らしや生活こそが、世界中の人々を魅了し続ける京都という街をさらに魅力的に、そして唯一無二の存在として輝かせているのだと思います。

この物語は、京都を‟盲目的”に好きになった主人公が繰り広げる、ある種のラブストーリー。一度スイッチが入ると、周りの意見や常識など意に介さず、愛すべきものに向かってどんどん突き詰めていくーー。独特なテンポで繰り広げられる、ちょっぴりホラーテイストのユニークな‟恋愛映画”をぜひ劇場でお楽しみください!

文/ Maika (Webサイト『映画とわたし』)

作品詳細

©2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会

2025年6月6日(金)
テアトル新宿ほか公開

出演:深川麻衣
小野寺ずる 片岡礼子 大友律 / 若葉竜也
山下知子 森レイ子 幸野紘子 守屋えみ 尾本貴史 遠藤隆太
松尾貴史 豊原功補
室井滋

監督:冨永昌敬
企画・脚本:アサダアツシ
音楽:高良久美子/芳垣安洋
製作:清水伸司/太田和宏/勝股英夫/小林栄太朗/佐藤央
企画・プロデュース:福嶋更一郎
エグゼクティブ・プロデューサー:松岡雄浩/西澤彰弘
プロデューサー:石川真吾/横山蘭平
アソシエイト・プロデューサー:三好保洋
ライン・プロデューサー:柄本かのこ
協力プロデューサー:荒木孝眞
撮影:蔦井孝洋 照明:石田健司 録音:山本タカアキ 美術:福島奈央花 装飾:遠藤善人
助監督:中薗大雅 制作担当:福島伸司 スタイリスト:小磯和代 ヘアメイクデザイン:西村佳苗子
編集:堀切基和 宣伝プロデューサー:山根匡子
製作幹事:メ~テレ/東京テアトル 制作・配給:東京テアトル 制作プロダクション:さざなみ
「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会:メ~テレ/東京テアトル/エイベックス・ピクチャーズ/テンカラット/ワンダーストラック

©2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会

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