「1970年代に放送された特撮ヒーロー番組」という体裁のもと、岡本太郎のことばと作品をモチーフに制作され、岡本太郎(日本を代表する芸術)×特撮(日本を代表するエンタメ)の組み合わせが多くの反響をよんだ「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」。本作は、NHK Eテレの深夜での放送(1話5分)からSNSなどで口コミが拡がり、続編の制作や関連書籍の増刷、関連イベントの盛況へとつながりました。
そんな超話題作が、1話5分の物語から『大長編 タローマン 万博大爆発』となって、2025年8月22日(金)より全国ロードショーとなります。

19日(火)には、岡本太郎が制作した「太陽の塔」から一番近い劇場である 109シネマズ大阪エキスポシティにて べらぼうジャパンプレミアが開催され、タローマンと藤井亮監督が舞台挨拶に登場!本記事では、イベントの模様の一部をお届けします。
盛大な拍手に包まれて、タローマンと藤井監督が登場!…と思いきや、突然タローマンが劇場内の階段を猛スピードで駆け上がり、客席の後方へ。観客の日傘を持って歩いたり、スポットライトにあたってスクリーンに映る自身の影で遊んだり。タローマンのあまりに自由な動きに、藤井監督は「本当に、コントロールできないですね(笑)」と一言。これまで画面を通して何度も見てきたタローマンの、あの“ベラボー”な動きを実際に近くで見た観客からは「おぉー!」という歓声が沸き起こりました。


タローマンの気配を感じながら、いよいよ藤井監督によるトークがスタート!「太陽の塔」から一番近い劇場でのイベント開催について「タローマンの聖地といいますか。まさに、タローマンが生まれた場所でもあるので、そのすぐ近くで上映ができるというのは本当に光栄で、とても嬉しいことです。」とコメント。大長編の制作は、監督自身の“挑戦”でもあったそうで「ずっとデタラメをし続けていたら見てられないものになってしまうんですよね。《長くて見てられるけど、デタラメなものにする》というのがすごく難しくて、苦労した点ですね。」と1話5分のショートストーリーとはまた異なる、長編ならではの難しさについて語りました。
本作の舞台は1970年、そして「1970年代頃に想像されていた未来像」としての2025年【昭和100年】。 幾何学的な建物や、透明なパイプで空中を移動する自動車、宇宙と交信する未来都市がスクリーンいっぱいに広がります。藤井監督は「技術的にも、70年代の映画にしたかったんです。爆発のシーンは、水槽にインクを垂らして爆発しているように見せたりとか。」と細部までのこだわりを熱弁。さらに「フィルムで撮ったようなトーンを作りたかったので、一度作ったものをスクリーンに投影して、それをもう一回撮影して“空気を入れる”ということをしましたね。」と、ブラウン管ならではの独特な“ザラつき”の表現方法についても言及しました。
また、音響については「同時録音できない当時のフィルムの雰囲気を出したかったので、基本的にすべてアフレコで収録しています。敢えて唇の動きと音が合ってないところがたくさんあって。」とコメント。キャスティングも、人物と声の2パターンで行われ「“昭和顔”の人と、“昭和声”の人をキャスティングしました。なるべく(ドラマやCMなどで)見たことがない人というか、出ていない人を探しましたね。」と話し、会場を沸かせました。
本作では、テレビ版では語られなかった「岡本太郎が抱いた万博への想い」が、今こそ伝えるべきテーマとして描かれます。藤井監督自身も、1970年の万博に強い憧れを抱いているそうで「ここからすぐ近くにある『鉄鋼館』も大好きで、あそこに行くと当時の熱気を感じてワクワクするんですよね。」と目を輝かせながら話しました。

藤井監督による貴重なトークが繰り広げられるなか、タローマンは客席に向かって大きなボールや風船を投げたり、中身が入っていない空のボールを観客に手渡したりと、自由気ままに会場を徘徊。タローマンのあまりのデタラメさと自由さに、会場の空気も一気に温まり、子どもから大人まで笑顔と笑い声が溢れる時間となりました。
イベントも終盤にさしかかったところで、「地底の太陽」をはじめとした7体のキャラクターたちがサプライズで応援に駆けつけ、藤井監督も一緒にお馴染みの主題歌『爆発だッ!タローマン』に合わせてダンスを披露!その後のフォトセッションでは、観客全員でタローマンのお面を被り、タローマンになりきって撮影に参加しました。


「なんだこれは!」「でたらめをやってごらん」といった 岡本太郎の信念を伝える本作ならではのこだわりを感じさせる、まさに“でたらめ”満載のジャパンプレミアは、作品への愛と期待感に包まれながら幕を下ろしました。
取材・撮影・文/ Maika (Webサイト『映画とわたし』)

1970年大阪万博の跡地である万博記念公園内には
岡本太郎のデザインにより建てられた「太陽の塔」や大阪万博の記念館「EXPO’70パビリオン」など
当時の熱気を感じられる建物が残っています。
また、2018年より太陽の塔の内部を事前予約制で一般公開しています。
万博記念公園ホームページ
https://www.expo70-park.jp/
太陽の塔オフィシャルサイト
https://taiyounotou-expo70.jp/
万博記念公園情報
住所:〒565-0826 大阪府吹田市千里万博公園
時間:9:30~17:00 (最終入園16:30)
料金:大人260円、小中学生80円(自然文化園・日本庭園共通入園料)
休園日:毎週水曜日
コールセンター 0570-01-1970 / 06‐6877‐7387(9:30~17:00)
作品詳細

『大長編 タローマン 万博大爆発』
●STORY●
時は1970年。
万博開催に日本がわきたっていたその時、
2025年の未来から
万博を消滅させるためにやってきた
恐ろしい奇獣が襲いかかる!
でたらめな奇獣に対抗するには、でたらめな力が必要。
しかし、未来の世界は秩序と常識に満ち溢れ、
でたらめな力は絶滅寸前になっていた。
CBG(地球防衛軍)は万博を守るため、
タローマンと共に未来へと向かう!
2025年8月22日(金)より
全国ロードショー
■出演
タローマン
太陽の塔 地底の太陽 水差し男爵
/解説:山口一郎(サカナクション)
監督・脚本:藤井 亮
企画・プロデュース:竹迫 雄也
プロデューサー:加藤 満喜 桝本 孝浩 倉森 京子 柳本 喜久晴 佐野 晴香
撮影:藤本 雅也 照明:東岡 允 美術:伊藤 祐太 録音:辻元 良 衣裳・ヘアメイク:浅井 可菜
編集:奥本 宏幸 VFX:安田 勇真 妻谷 颯真 ポスプロコーディネーター:のびしろラボ
音楽:林 彰人 制作担当:富田 綾子 宣伝プロデューサー:山澤 立樹
製作:『大長編 タローマン 万博大爆発』製作委員会
制作プロダクション:NHKエデュケーショナル 豪勢スタジオ
配給:アスミック・エース
協力:公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団
協賛:キタンクラブ 三井住友海上 アルインコ 日本建設工業
Ⓒ2025『大長編 タローマン 万博大爆発』製作委員会