【取材レポ】SUPER EIGHT・安田章大、企画から初参加した映画『平行と垂直』ジャパンプレミア開催 のんと登壇

(左から)のんさん、安田章大さん、小林聖太郎監督
撮影:『映画とわたし』編集部

安田章大が“作品のメッセージを届けたい”と初めて企画段階から参加し、のんとW主演を務めた映画『平行と垂直』が、2026年8月28日(金)より全国公開となります。

7月2日(木)、本作のジャパンプレミアが TOHOシネマズ 鳳(大阪府堺市)にて行われ、W主演をつとめた安田章大さん(SUPER EIGHT)、のんさん、そして本作のメガホンをとった小林聖太郎監督が登壇しました。本記事では、イベントの模様の一部をお届けします。

観客からの盛大な拍手で迎えられて、ゲストの皆さんが登場。今回の舞台挨拶では手話通訳も実施され、アクセシビリティにも配慮したイベントとして開催されました。

登壇者全員が関西出身ということで、安田さんは「落ち着きますね。関西弁を聞くと幸せですね!」と笑顔を見せ、のんさんも「関西って人があったかいを通り越して熱い。みんな親戚みたいな気分になります。」と話し、会場を和ませました。一方、小林監督は「今月3回目なので、久しぶりという感じではないんですけど…すいません(笑)」とユーモアを交えつつ、会場の笑いを誘いました。

安田章大さん

また、お気に入りの関西グルメについて聞かれると、安田さんは「関西人やから嘘ついてるみたいになりそうなんですけど、ほんまにたこ焼きが好きです。家でもよくするし、自分の大事な作り方みたいなのもあります。」と話し、自宅にソースを5種類常備していることや、山芋を加えるこだわりのレシピを披露。のんさんは「私、昨日もお好み焼きを食べました。豚玉に、餅トッピングで。」と笑顔で話し、地元関西ならではのトークで盛り上がりました。

本作は、⾃閉スペクトラム症の兄の大貴(だいき/演:安田章大)と、兄を幼い頃から⽀えてきた妹の希(のぞみ/演:のん)の兄妹が、希の結婚話をきっかけに、お互いのこれからとこれまでに向き合う心あたたまるヒューマンドラマ。安田さんが、劇団ふくふくやを主宰し女優としても活躍する山野海さんのオリジナル脚本に感銘を受けて、旧知の佐藤現プロデューサーに「これを映画化できないだろうか」と持ち込んだことから企画が始動。小林監督も加わり、自閉スペクトラム症(ASD)の専門家の方々に監修を仰ぎながら約2年をかけて脚本を練り、実現しました。

安田さんは「幼少期から世の中が勝手に作った“普通”というものに違和感がありました。」と振り返り「“普通”という言葉に引っ張られて、自分自身が隅っこに追いやられていたり、行動に起こせなくなっていたり。定型発達の皆さん、ASDと呼ばれる皆さんなども自分なりの意見があったり、伝えたいことがある。それを僕たちがちゃんと受け止められるかどうかが今問われていることだと思うんですよね。僕たちが一つ一つ丁寧に変わっていければ、世界が変わるのかなと思っていて。」と本作の企画に込めた思いを語りました。

小林監督は、安田さんとの出会いについて「以前(SUPER EIGHTの)横山君と仕事したことがあって、東京ドームで一回握手だけはしたことがあったんですけど。」と話すと、安田さんは「よう覚えてるな!」と思わずツッコミ。初対面とは思えないほど自然に打ち解けたことを明かし「うわって近づいてくるわけじゃないけど、自然にすごい近いところにいさせてくれたなって。これは(安田さんの)特技だと思います。そこから一緒に歩けたような気がしてます。」と語りました。その後、映画の企画に向けた会議ではお互いの幼少期の話をするところから始まったそうで、安田さんは「自分自身をさらけ出せたからこそ、この作品が形になったのかなと思います。」と振り返りました。

のんさんは、出演オファーを受けた当時の心境について「素敵な脚本で、素晴らしい物語だなと思いました。一方で、とても特別で大切な作品だからこそ生半可な気持ちではお受けできないと思い、悩みました。」と告白。その後、小林監督から届いた手紙に背中を押され「この役を逃したら絶対に後悔すると思い、飛び込みました。」と出演を決意した経緯を明かしました。

のんさん

安田さんは大貴を演じるにあたり実際に施設へ何度も足を運び、そこで出会った皆さんと交流を重ねるなかで「ASDの皆さんとお話ししたり、一緒に遊んだり、自己紹介しあったりすることで、役作りというよりも自然に大貴の性格が出来上がっていったと思います。」とコメント。そこにはのんさんが演じる希の存在や、小林監督の言葉も大きな支えになったそうで「希のコミュニケーションが、大貴のキャラクターが仕上がっていった大きな秘訣だと思います。そして、聖太郎監督が『映画はファンタジーだけど、真実もちゃんと紡ぎながら作っていくことが必要』だと向き合って会話してくれたから、全部委ねることができました。」と振り返りました。のんさんも「初めて安田さんと撮影したシーンで、大貴の佇まい、存在をすごく明確に感じて。この大貴に寄り添えばいいんだって、安田さんが答えを出してくれたっていう感じでした。」と振り返り、互いを信頼しながら作品を作り上げたことを明かしました。

本作の撮影は、堺市で行われたことでも話題に。小林監督は撮影前にスタッフとともに自転車で市内を巡り、街の空気を肌で感じながらロケ地を選んだことを明かし「車で点で見ていくよりも、その過程も大事だなと思って。空気ごと感じれたらという狙いで行ったんですけど、ものすごい暑くて。汗だくになってたら、最後ゲリラ豪雨でビシャビシャになって。」とコメント。すかさず安田さんが「(豪雨で)汗は流れましたね。」とツッコミを入れる一幕も。

小林聖太郎監督

安田さんは、堺市の商店街で食べた出来たてのコロッケやメンチカツがお気に入りだったと笑顔を見せ「スタッフさん全員で食べました。揚げたてで本当においしかった!」と大絶賛。のんさんは、空き時間に見つけたウサギの彫刻が並ぶ公園を散策し「ウサギと写真を撮ったりして遊びました。」と撮影の合間の思い出を語りました。

最後に安田さんが「人と人が繋がり、優しく支え合う。そして時にすれ違う、日常の映画です。だからこそ微々たる成長しかしないし、大きく変化もしません。ですが、それが人生で一番手を取り合える近道だと思っています。僕たちが一番伝えたいメッセージは『全員が全員、あなたの味方だよ』ということです。」と作品への思いと力強いメッセージを届けると、会場は大きな拍手に包まれ、イベントは盛況のうちに幕を下ろしました。

取材・撮影・文/ Maika (Webサイト『映画とわたし』)

作品詳細

『平行と垂直』

●物語●
⾃閉スペクトラム症の大貴と、兄を幼い頃から⽀えてきた妹の希。兄妹は幼い頃に⺟親を亡くし、ネグレクト気味の父親から距離を置き、二人で懸命に⽣きてきた。
大貴はほとんど会話をせず表情もあまり変わらないように見える。グループホームから⾃立を目指して、一人暮らしを始めた大貴は独⾃の規則を持っている。全てを平行と垂直に並べるほど几帳面でこだわりが強く、机に並ぶ⾷器も丁寧に揃える。週に一度の希との⾷事の時間は決まって19:00。1分でも過ぎると落ち着かなくなる。
カウンセラーの仕事をしている希は恋人からプロポーズを受け、一抹の不安を抱えながら兄と共に、婚約者の両親に会いに東京へ行くことに・・・。

⾃閉スペクトラム症 (ASD)は、社会的コミュニケーションの難しさと、興味・行動の偏りや感覚の特性が、発達早期から持続する発達障害の1つである。知的水準や言語、生活上の困りごとは多様で、⽀援により適応は改善する。⾃閉症を中核概念に障害の表れを一つの連続体(スペクトラム)として診断される。

2026年8月28日(金)より
全国ロードショー

出演:安田章大 のん
伊島空 高山トモヒロ 谷村美月 福田転球 芦川誠 早織 久保田磨希
河野咲良 髙田幸季 武藤凪 林英世/神野三鈴 菅原大吉
監督:小林聖太郎
原案・脚本:山野海
音楽:富貴晴美
主題歌:浮 with 安田章大「話そう」
企画:安田章大
企画プロデュース:佐藤現

製作:「平行と垂直」製作委員会(東映ビデオ、アスミック・エース、メディアプルポ、中京テレビ、テレビ大阪、ストームレーベルズ、ローソン、東映シーエム)
特別協力:大阪府堺市
取材協力:さくらんぼ教室、NPO法人アスペ・エルデの会、NPO法人PDDサポートセンターグリーンフォーレスト
後援:日本発達障害ネットワーク、日本⾃閉症協会
制作プロダクション:セントラル・アーツ
製作幹事・配給:東映ビデオ

©2026「平行と垂直」製作委員会

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