【試写レビュー】『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』大切なことを教えてくれる、冒険の世界

©「不思議の国でアリスと」製作委員会

1865年にルイス・キャロルが生み出し、今もなお世界中で愛され続けている名作『不思議の国のアリス』が、日本で初めての劇場アニメーション化!劇場アニメ『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』が、8月29日(金)より全国公開となります。

アニメーション制作を「SHIROBAKO」『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』 (2025) のP.A.WORKS、監督を「色づく世界の明日から」「白い砂のアクアトープ」の篠原俊哉、脚本を「薬屋のひとりごと」「アオのハコ」の柿原優子、コンセプトデザインを「ファイナルファンタジー」シリーズの新井清志が担当するほか、豪華キャスト陣が個性豊かなキャラクターたちの声を演じることでも話題の本作。実力あふれるドリームチームが、アリスの世界観を描き出します。

©「不思議の国でアリスと」製作委員会

【STORY】
失敗しないように空気を読んでるはずなのに、みんなと同じようにやってるのに、なんでうまくいかないんだろう――
人生に迷っていた大学生の安曇野りせは、ある日、亡き祖母が遺した招待状に導かれて、”不思議の国“へと入り込んでしまう。そこでアリスという少女と出会い、一緒に旅をすることに。白ウサギや青虫、ハートの女王にトランプ兵、マッドハッターと三月ウサギ、ハンプティダンプティ、双子のトゥイードルダムとトゥイードルディーにチェシャ猫に……次々にりせの前に現れるへんてこりんな不思議の国の住人たち!そして、巻き起こるハチャメチャな大騒動!?
アリスとめぐるとびっきりおかしな冒険で、りせはどんな未来を選ぶのか――
この冒険で、明日がきっと笑顔に変わる

『不思議の国のアリス』は、1865年の初版以来 170もの言語に翻訳され、世界的な発行部数は 1億部とも言われる人気作品です。作品に登場するルイス・キャロルの言葉や詩は、 “ノンセンス文学”と呼ばれるジャンルを切り開き、その価値を高めたとも言われています。さらに『ふしぎの国のアリス』 (1951) や『アリス・イン・ワンダーランド』 (2010)といった映像作品を通しても、世界中の人々を魅了し続けてきました。

そんな世界的名作を日本ではじめて劇場アニメーション化した本作。時間がないとせかせか歩き回る“白ウサギ”や、いつもにやにや笑いを浮かべている“チェシャ猫”といった 原作でも大人気のキャラクターはもちろん、本作より登場する新たなキャラクターも加わり、まだ誰も体験したことのない“不思議の国”への扉が開きます。

©「不思議の国でアリスと」製作委員会
【編集部の推しポイント】

社会課題をキャラクター設定や物語に反映した、唯一無二の世界観

本作は、長野から上京して東京で一人暮らしをしている大学生の安曇野りせ(CV:原菜乃華)が、亡き祖母が遺した招待状に導かれてアリス(CV:マイカ・ピュ)と出会い、一緒に旅をすることで物語が進んでいきます。

プロダクションノートによると、篠原監督は P.A.WORKSの堀川憲司氏との対談の中で《現代を生きる若い女性に届けたい作品》を目指したことについて触れ、「社会に出る女性が抱えているであろう日常的な問題の中から20個ぐらいを書き出し、映画に組み込める可能性のあるものを検討していきました。」と振り返ります。

©「不思議の国でアリスと」製作委員会

物語のなかで、大学生のりせは絶賛就活中。真面目で几帳面な性格ながら、不器用な一面も併せ持ち、なかなかうまくいかない日常に悩んでいます。そんな彼女が、天真爛漫で好奇心旺盛なアリスと過ごす時間は実に新鮮で、驚きの連続。旅の途中で出会う“不思議の国”の住人たちも、彼女の成長に大きな影響を与えます。

色鮮やかで魅力的な空間を楽しく味わいながらも、日本が抱える社会課題をキャラクター設定や物語に反映させ、唯一無二のハチャメチャな世界観を見事に描き出した本作。共感を呼ぶキャラクター描写とテーマ性で、数多くの視聴者の心を掴んできた「P.A.WORKS」の魅力が光る作品です。

豪華キャスト陣による、へんてこりんな“不思議の国”の住人たち
りせとアリスが旅の途中で出会う“不思議の国”の住人たちは、みなユニークで個性的。白ウサギ(CV:山口勝平)や青虫(CV:山本高広)、ハートの女王(CV:松岡茉優)にトランプ兵マッドハッター(CV:山本耕史)と三月ウサギ(CV:八嶋智人)にヤマネ(CV:小野友樹)、ハンプティダンプティ(CV:小杉竜一)、双子のトゥイードルダム(CV:木村昴)とトゥイードルディー(CV:村瀬歩)にチェシャ猫(CV:森川智之)に…。へんてこりんながら、どこか共感できる一面も!?

“不思議の国”のデザインや仕掛け
プロダクションノートによると、本作のコンセプトデザインを担当した新井清志氏は、ルイス・キャロルゆかりの地であるイギリス・オックスフォードやコッツウォルズの“おとぎ話に出てきそうな雰囲気”を意識して、デザインに取り入れたのだそう。「りせの悩みにどう寄り添ったものにするか」「明るさを担保したままワンダーランドの世界観を表現するにはどうしたらいいか」ということを一番に考え、フォルムやギミックはもちろん、イメージカラーの“水色”には特にこだわりを持って、唯一無二の“不思議の国”をデザインされています。

©「不思議の国でアリスと」製作委員会

スクリーンいっぱいに広がる“不思議の国”は、《あたりまえがない世界》。自分のなかにある「好き」の気持ちを、今よりもっと大切に。そして、『明日からも頑張ろう』と明るく前向きになれるように、そっと背中を押してくれる優しい作品です。

文/ Maika (『映画とわたし』編集部)

作品詳細

©「不思議の国でアリスと」製作委員会

2025年8月29日(金)
全国公開

■CAST
原 菜乃華  マイカ ピュ
山本 耕史  八嶋 智人  小杉 竜一 (ブラックマヨネーズ)
山口 勝平  森川 智之  山本 高広
木村 昴  村瀬 歩  小野 友樹  花江 夏樹 / 松岡 茉優
間宮 祥太朗  戸田 恵子

原作:『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル)
主題歌:SEKAI NO OWARI 「図鑑」(ユニバーサル ミュージック)

監督:篠原 俊哉

配給:松竹
製作幹事:松竹・TBSテレビ
アニメーション制作:P.A.WORKS
製作:「不思議の国でアリスと」製作委員会

©「不思議の国でアリスと」製作委員会

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