【試写レビュー】映画『九龍ジェネリックロマンス』台湾の地で魅せる、美しくも妖しい“九龍城砦”の世界

©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

「恋は雨上がりのように」の眉月じゅん最新作にして、超人気ミステリー・ラブロマンス「九龍ジェネリックロマンス」(集英社 / 週刊ヤングジャンプ連載)が、吉岡里帆と水上恒司のW主演で待望の実写映画化!映画『九龍ジェネリックロマンス』が2025年8月29日(金)に全国の劇場にて公開となります。

■STORY■

懐かしさ溢れる街・九龍城砦の不動産屋で働く鯨井令子は、先輩社員の工藤発に恋をしていた。工藤は九龍の街を知り尽くしており、令子をお気に入りの場所に連れ出してくれるが、距離は縮まらないまま。それでも令子は、九龍で靴屋を営む楊明、あらゆる店でバイトをする小黒らといった大切な友達もでき、九龍で流れる日常に満足していた。しかしある日、工藤と立ち寄った金魚茶館の店員タオ・グエンに工藤の恋人と間違われる。さらに、令子が偶然みつけた1枚の写真には、工藤と一緒に自分と同じ姿をした恋人が写っていた。思い出せない過去の記憶、もう 1 人の自分の正体、そして九龍の街に隠された巨大な謎。過去・現在が交錯する中、恋が、秘密を解き明かすーー。

©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会
©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

懐かしさで溢れる街「九龍城砦」で暮らす、過去の記憶がない鯨井令子(吉岡里帆)と、誰にも明かせない過去を持つ工藤発(水上恒司)。

思い出せない過去、もう1人の自分、そして、九龍に隠された《謎》。2人の距離が近づけば近づくほど《謎》が深まっていくーー。その真相にたどり着く時、2人は究極の選択を迫られます。

【編集部の推しポイント】

舞台は、かつて香港に実在した場所
「九龍城砦」

「九龍城砦(くーろんじょうさい)」は、かつて香港に実在した大型スラム街。狭い区画に高い建物が密集し、3万人以上がひしめき合って暮らしていました。完全なる無法地帯であったことから、“一度踏み入れたら二度と出てこられない”“東洋の魔窟”などと呼ばれたその場所は、香港返還に伴い1994年に解体されました。

そんな「九龍城砦」は、映画やアニメ、ゲームなど様々なコンテンツの舞台となっており、当時の姿を知らない世代を筆頭に、いま再注目されている場所でもあります。本作では、解体されたはずの「九龍城砦」が美しくも妖しい魅惑的な街として登場し、そこに暮らす主人公の2人が織りなす切ない恋模様をミステリー要素も交えて丁寧に描かれます。実写ならではのロケーションと演出は、見ごたえ抜群です。

街を知り、歴史を知る。作品をきっかけに、実在した場所や過去の出来事にも触れてみてはいかがでしょうか。

【撮影】台湾各地で真夏のロケを敢行

九龍のシーンのほとんどは、狭く雑多な路地裏の商店など、誰もがなぜか懐かしさを感じるような古い街並みを残す台湾で撮影が行われました。プロダクションノートによると、梶原富治氏(ROBOT プロデューサー)は「空を見上げたときに空が抜けてないほうがいい、周囲にビルがある屋上がいい、撮影できる裏路地や屋台……など条件が多かった」とロケハン時を振り返り、台北や台中、台南などに何度も足を運んだことを明かしています。

©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会
©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

さらに、令子と工藤がはじめてデートをする「⻩昏横丁」は、台北から車で40分ほど行った場所にあるそうで、現地に長く滞在していた菊池実里氏(ROBOT プロデューサー)は「実際に営業されている商店街を使わせてもらいました。それまでいろんなところと交渉したもののなかなか条件が合わなかったのですが、最終的にはとても協力的な商店街で撮影ができました。」と明かしています。令子たちが勤める不動産屋「旺来地産」の内部や屋上、工藤行きつけの不思議な喫茶店「金魚茶館」、そして令子の住む部屋も台湾で撮影が行われ、ノスタルジック溢れる風景と人情がスクリーンを華やかに彩ります。

【キャスト】豪華俳優陣が集結

©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

令子と工藤を取り巻く、蛇沼製薬の社長・ 蛇沼みゆき(竜星涼)、喫茶店「金魚茶館」の店員で工藤の友人であるタオ・グエン(栁俊太郎)、九龍の靴屋の店主・楊明(梅澤美波 / 乃木坂46)、九龍のあらゆる店でアルバイトをしている小黒(花瀬琴音)、謎に包まれた九龍の街を調べているユウロン(フィガロ・ツェン)と、怪しくも魅力的なキャラクターたちを豪華俳優陣が演じ、実写ならではの魅力が詰まった映像作品となっています。

どこか懐かしさを覚える、九龍の街並みがスクリーンいっぱいに広がります。過去と現在が交錯するミステリー・ラブロマンスを、ぜひ劇場でお楽しみください!

文/ Maika (『映画とわたし』編集部)

作品詳細

©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

2025年8月29日(金)公開

[キャスト] 吉岡里帆 水上恒司
栁俊太郎 梅澤美波(乃木坂46) 曾少宗(フィガロ・ツェン)花瀬琴音
諏訪太朗 三島ゆたか サヘル・ローズ / 関口メンディー 山中 崇 嶋田 久作
⻯星涼
[原作]眉月じゅん「九龍ジェネリックロマンス」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
[監督]池田千尋
[脚本]和田清人 池田千尋
[音楽]小山絵里奈
[主題歌]Kroi「HAZE」(IRORI Records / PONY CANYON INC.)
[制作プロダクション] ROBOT
[制作協力] さざなみ
[企画・配給] バンダイナムコフィルムワークス

◾原作情報
原作「九龍ジェネリックロマンス」眉月じゅん(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
単行本 1 巻〜11 巻好評発売中。

©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

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