2024年2月10日(土)、大阪市北区の大阪ステーションシティシネマで 映画『罪と悪』の舞台挨拶が開催され、俳優の大東駿介さん(吉田晃 役)、齊藤勇起監督が登壇しました。本作は、20年前と現在をつなぐ2つの殺人事件の真相を軸に、幼馴染3人の葛藤と真実の行方を描く重厚なミステリー・ノワール。齊藤監督の監督デビュー作であり、自らがオリジナル脚本で挑んだ渾身の作品です。
「3年前に、函館で映画『草の響き』(当時、齊藤監督は助監督として参加)の撮影をしていて、僕たちがよく行っていたスナック「青りんご」のカウンターで『齊藤監督が1本目を撮るときは絶対に出演させてほしい』と話をしました。」と大東さん。本作では、高良健吾さん演じる阪本春の幼馴染、吉田晃を演じます。齊藤監督は、自身が思い描いてた“吉田晃”というキャラクターに大東さんがぴったりだったことを明かし、「大東さんにオファーのお願いをしたら、レスポンスがすごく早くて!とても嬉しかったです。」と当時のことを振り返りました。
本作の撮影は 2022年7月から8月までの29日間、オール福井ロケで行われたことでも話題となりました。福井県は齊藤監督の出身地であり、「福井県は、これまであまりロケ地として使われることがなかったのですが、逆にあまり知られていないのでこれはチャンスだと思いました。“日本全国どこでも起こり得るような話”という意味での〈普遍性〉が、良い意味で演出できたのではないかと思っています。」とコメント。また、出演者の皆さんが積極的に街に溶け込んで 撮影に挑んでいたことが印象的だったという齊藤監督。「大東さんは、エキストラや関係者の方々とも深くコミュニケーションを取りながら、休みの日には街へ繰り出して筋トレや銭湯に行ったり、食事を楽しんだりと街に溶け込んでくれました。それは、必ずこの映画のなかでもプラスになっています。」と熱く話しました。
舞台挨拶が開催された大阪府は、大東さんの出身地ということもあり ”おすすめ”のスポットを聞かれると、「もはや東京におる時間の方が長いから…。」と話しつつも、「堺市民って、堺への愛がものすごく強くて。どこがおすすめかと聞かれたら、それは堺市です。」と満面の笑みでコメント。最近 堺市にオープンしたばかりのうどん屋さんが美味しかったそうで、「知ってる人おるかな?」と観客に問いかける場面も。齊藤監督は、大阪へは撮影で何度も訪れており、「難波で食べたシュウマイが、物凄く美味しかったです。」と、“懐かしい味”を思い出しながらコメントしました。
最後に、これから映画を鑑賞する来場者に対して、大東さんは「劇場って、ロマンがある場所だと思います。前日からワクワクして、劇場で観ていただいて。この時間すべて込みで”映画”なので、これからも劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。これから、映画を楽しんでください!」とコメント。齊藤監督は「僕にとって一生に一度のデビュー作なので、今日ここにいる皆さんと時間を共有できたことは財産です。3日、1週間、たとえば10年後にまた『罪と悪』を思い出してもらえたら嬉しいですし、皆さんの心のどこか片隅に残るような映画になったら幸いです。」と力強くコメントし、約30分間にわたる舞台挨拶は大きな盛り上がりと作品への期待感に包まれながら幕を下ろしました。
取材・文/ Maika (Webサイト『映画とわたし』)
『罪と悪』作品詳細
■STORY■
何者かに殺された14歳の少年、 正樹。彼の遺体は町の中心のある橋の下で発見された。 同級生の春・晃・朔は、正樹を殺した犯人と確信した男の家に押しかけ、もみあいになる。 そして、男は1人の少年に殺される。 彼は家に火を放ち、事件は幕を閉じたはずだったー。 時が過ぎ、刑事になった晃は父の死をきっかけに町に戻り、朔と再会する。 ほどなく、ある少年の死体が橋の下で見つかる。20年前と同じように一。 晃は少年の殺害事件の捜査の中で、春と再会し、それぞれが心の奥にしまっていた過去の事件の扉が再び開き始める。 かつての事件の真相は、そして罪と向き合うということとはー。
大ヒット公開中!
監督・脚本:齊藤勇起
キャスト:高良健吾、大東駿介、石田卓也 ほか
配給:ナカチカピクチャーズ
©2023「罪と悪」製作委員会