2025年10月22日(水)~2026年1月4日(日)の期間、グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボにて「藤城清治101歳展 生きている喜びをともに」が開催されます。本記事では、21日(火)に開催されたプレス内覧会のレポートをお届けします。
藤城清治 プロフィール
1924年東京生まれ。学生時代から絵画、影絵、人形劇を始める。1948年『暮しの手帖』に影絵を連載し影絵作家として注目を集める。1952年人形と影絵の劇団・木馬座を結成、TV番組『木馬座アワー』では自ら演出、自身が産み出したオリジナルキャラクター・ケロヨンが爆発的人気を呼ぶ。木馬座解散後も影絵作家、影絵劇演出家として活動し世界各国で影絵展、影絵劇の上演を行う。2024年100歳を超えてからも新作を発表するなど、意欲的な創作活動を続けている。
日本における影絵作家の第一人者・藤城清治氏。1日に約100枚消費するというカミソリで、色とりどりのカラーフィルムをカットし、背面からライトを当てて生み出される作品の数々。光と影が織りなす藤城氏の作品は、観る人の心に幸せを灯し、希望と感動を届けます。
21日(火)、プレス内覧会に登場した藤城氏は「僕にはゴールはない。生きている限り、描き続けていきたい。」とコメント。さらに「今日よりも明日は、もっと良い絵を描きたい。」と何度も力強く語りました。2025年4月に101歳を迎えた現在もなお『未来を生きる力を絵として届けたい』という思いを抱き、新たな創作の場へ挑み続けるその姿勢は、国内外のファンを魅了し続けています。

2017年大阪・天保山で開催して以来、8年ぶりの大阪開催となる本展では、「日本一大阪人パノラマ」(2014年制作)など大迫力の大型作品をはじめ、本展のために書き下ろしたメインビジュアル「ミラクルアビーとミラクルボーイ」(2025年制作)などの新作も展示されます。本展の開催にあたり、藤城氏は「僕の大好きな大阪で、生きることがどんなに楽しいか、喜ばしいか、みなさんにぜひ感じてもらいたい。」と熱く語りました。
日本一大阪人パノラマ
本展のエントランスで来場者を最初に出迎えるのは、横6m×縦3mの大作「日本一大阪人パノラマ」です。大阪の名所が魅力的に描かれ、観客を楽しませます。制作当時はドローンなどの機材はなく、実際に道路を歩いて写真やデッサンに残したり、高速道路を車で何度も走行したそうで、藤城氏は「いろんな角度から撮った写真やデッサンを、一点から見たような作品に仕上げるのが難しかった。大阪を僕なりに懸命に描いた作品です。(本展で)この作品が先頭に飾ってあるのが嬉しい!」とコメントしました。

メルヘンの世界
藤城氏の作品のなかでは、こびとや動物、ケロヨンといった様々なキャラクターが同居して、ひとつの世界を作り上げています。なかでも「風の中の白いピアノ」は、水槽と鏡を用いた展示方法をとっており、果てしなく続くメルヘンの世界が堪能できます。

物語の世界
藤城氏は、20代の頃から様々な物語の挿絵を手がけてきました。やさしさとユーモアにあふれるキャラクター、そして美しい風景は、おはなしの世界に奥行きをもたらします。本展では、「暮しの手帖」作品をはじめ、「西遊記」、宮沢賢治童話の挿絵など、一連の影絵作品が展示されます。

いまを生きるよろこび
本展のために書き下ろしたメインビジュアル「ミラクルアビーとミラクルボーイ」をはじめ、100歳以降に制作した展覧会初公開となる最新作が複数展示されます。

戦争と震災 平和への祈り
藤城氏は、原爆ドームとの出会いを契機に、戦争や震災にまつわる作品を制作するようになります。本展では「悲しくも美しい平和への遺産」や、東日本大震災からの復興への願いを込めて制作した「福島 原発ススキの里」などを展示。現地での丹念な観察をもとに表現された精緻な描写は、見る者の心に深く訴えかけます。

各地の風景と神話の世界
毎年 7月24日、25日に大阪天満宮で開催される天神祭を描いた「天神祭 今昔」は、大阪の夜景や神輿を乗せた船、橋の上では三瀬御神楽を奏し、夜空には花火が上がり、賑やかで活気あふれる大阪の街をじっくりと堪能できます。




グッズコーナーでは、日常を彩るバラエティ豊かなグッズが盛りだくさん。来場の記念に、ぜひ会場でお気に入りの一品を見つけてみてください!


※販売状況によって、欠品・完売となる場合がございます。
展覧会開催期間中、グランフロント大阪北館1階「CAFE Lab.」(カフェラボ)にて、本展の開催を記念したオリジナルカプチーノが販売されます。
藤城作品の代表的なキャラクター「こびと」「ケロヨン」をはじめとする全5種の絵柄から選べるイタリア・イリー社のエスプレッソ豆を使用した本格カプチーノです。展覧会とともにカフェラボで作品の世界観をお楽しみください!

※写真は「ケロヨンバッハハ~イ」
取材・撮影・文/ Maika (『映画とわたし』)
開催概要
藤城清治101歳展 生きている喜びをともに
日程 | 2025年10月22日(水)~2026年1月4日(日) 【休館日】12月31日(水)、2026年1月1日(木・祝) |
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会場 | グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボ |
開館時間 | 10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで |
★チケットに関する詳細は、公式サイトをご確認ください。
※本記事に掲載している情報は、予告なく変更となる場合がございます。