【試写レビュー】映画『モブ子の恋』桜田ひより×木戸大聖 優しさの連鎖が紡ぐ、小さな勇気の物語

©田村茜/コアミックス ©映画「モブ子の恋」製作委員会

2017年より「月刊コミックゼノン」にて連載開始、現在はWEB漫画サイト「ゼノン編集部」で連載中の田村茜氏による漫画「モブ子の恋」(ゼノンコミックス/コアミックス)を風間太樹監督が実写映画化。映画『モブ子の恋』が2026年6月5日(金)より全国公開となります。

社会現象を巻き起こしたドラマ「silent」「海のはじまり」を手掛けた風間太樹監督。次世代を担う俳優、桜田ひよりさん木戸大聖さんをW主演に迎えておくるのは、再び人々の孤独と優しさに焦点をあてたラブストーリー

©田村茜/コアミックス ©映画「モブ子の恋」製作委員会

文学的な余白の中で、言葉にならない心の機微を繊細かつ大胆に表現し、風間太樹監督の新たな傑作が誕生しました。これは、目立つことを避けてきたすべての人へ贈る、自分を好きになるための物語です。

試写レビュー

モブ(mob)とは、群衆、脇役、背景と同化しているキャラクターのこと。

「自分はモブだから」――そんな思いを抱えながら生きてきた田中信子(桜田ひより)。誰かが輝く世界を少し離れた場所から見つめ、自分の存在を目立たないものだと感じてきた彼女が、アルバイト先のスーパーでの出来事や人との出会いを通して少しずつ前へ進んでいく姿を描きます。

©田村茜/コアミックス ©映画「モブ子の恋」製作委員会

そんな信子が心を寄せていくのが、同じスーパーで働く入江博基(木戸大聖)。自然な優しさを持つ彼もまた、信子の静かな魅力に気づき、まっすぐ向き合っていきます。二人が互いの存在に支えられながら成長していく姿が、本作の大きな見どころです。

©田村茜/コアミックス ©映画「モブ子の恋」製作委員会

アルバイトや就職活動、人との関わりの中で悩みながらも一歩ずつ成長していく信子の姿からは「どんな経験も無駄ではなく、自分の力になっていく」というメッセージを感じます。日常のささやかな積み重ねが、いつのまにか自分の糧になっているということも。

また、人との関わりの中で生まれる何気ない優しさや気遣いが、誰かにとっては支えになり、希望になることがあります。本作はそんな優しさの連鎖を丁寧に描き出しており、いつの日かの自分自身と重ね合わせる瞬間もありました。

ラスト20分は、心地よい涙が静かに流れました。大きな奇跡が起こるわけではないからこそ胸に響く、優しさと希望に満ちた一作です。自分に自信が持てないときや、一歩を踏み出す勇気がほしいときにそっと寄り添ってくれる作品です。

文/ Maika (『映画とわたし』編集部)

作品詳細

映画『モブ子の恋』

6月5日(金)全国公開

【出演】
桜田ひより 木戸大聖
早瀬 憩 唐田えりか 草川拓弥 荒木飛羽
蒼戸虹子 占部房子 吉田ウーロン太 TheWorthless
中村優子 古舘寛治

監督:風間太樹
脚本:倉光泰子
音楽:坂本秀一
主題歌:にしな「クローバー」(ワーナーミュージック・ジャパン)
原作:田村茜『モブ子の恋』(ゼノンコミックス/コアミックス)
製作:映画「モブ子の恋」製作委員会
制作プロダクション:AOI Pro.
配給:イオンエンターテイメント、東京テアトル

©田村茜/コアミックス ©映画「モブ子の恋」製作委員会

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