2024年11月16日(土)、大阪府八尾市のMOVIX八尾で 映画『君の忘れ方』(2025年1月17日(金)より全国公開)の先行上映舞台挨拶が開催され、西野七瀬さん、作道雄監督が登壇しました。
イベント会場であるMOVIX八尾は、昨年の台風7号により甚大な被害を受けた影響で休館しており、この度全館改装が完了し、15日より営業が再開。八尾市に隣接する町で生まれ育った西野さんは、MOVIX八尾には学生の頃に家族や親戚、友人らと自転車でよく通っていたそうで「お家から行ける映画館で多分一番近かったので、映画を見るってなったら“八尾アリ”に行ってました。」と地元ならではのトークを披露。「早く復活できることをずっと願っていたので、無事に復活できたこと、そして今日呼んでいただけたこともすごく嬉しいです。」と喜びを語りました。
本作は、坂東龍汰さん演じる構成作家の青年・森下昴が「グリーフケア」の概念と出会い、大切な人の喪失からの再生を切なくも温かな眼差しで描いたヒューマンドラマ。昴の恋人であり、交通事故で帰らぬ人となる柏原美紀を演じる西野さんは、“幻”という難しい役どころに挑戦。「これまでにやったことのない役でした。幻影となると、美紀の意思で出てるのか、昴の意思で出てるのかという部分が難しくて。坂東くん含めて監督と三人でお話をして、昴が見ている幻影ということになりました。美紀の意思ではないという前提だったので、微妙に変化する表情や歩き方なども難しかったです。」と撮影当時を振り返りました。
作道監督は、撮影時に西野さんが“まばたき”をしなかったことに驚いたそうで「飛騨市、高山市で撮影をはじめて2日目くらいで気付いて。でも、そのことを伝えると変なプレッシャーを与えてしまいそうで、言わずに感謝だけしていました。」と話し、西野さんは「“幻影”と伝えられるポイントがなかなか思いつかなかったので、少しでも変化をつけることができるかなと思い、試してみました。」とコメント。先行上映を観て、この演出に気付いたという来場者の姿も多く見られ、西野さんは「すごい…!気付いてくださって嬉しいです。」と笑顔で話しました。
今回、西野さんに美紀役をオファーしたことについて、作道監督は「本作のタイトル『君の忘れ方』の“君”は、美紀ちゃんのことなんですよね。愛する人との突然の別れに 昴はずっと混乱していて、思い出すことも思い出さないことも怖がっているけど、あまりにも思いが強くなると“幻影”として出てくる。それは、観客がすぐに“恋人だな”とピンとくる方じゃないと成立しないと思いました。美しくて儚いイメージを持つ西野さんに、一か八かでオファーしたら引き受けて下さいました。」と熱い想いをコメント。対する西野さんは「監督がお手紙をくださって。直筆じゃなくて、プリントの…。」と満面の笑みで話し、会場は温かい空気に包まれました。
最後に、西野さんが来場者に向けて「昴の想いに共感しつつ 変わっていく姿を見届けれる、温かさを感じられる作品だと思います。今日皆さんには1回目を見ていただきましたが、公開は来年1月17日となりますので、また公開されたらもう一度見ていただけたりしたら、嬉しいです!」と力強くコメントし、約30分間にわたる舞台挨拶は大きな盛り上がりに包まれながら幕を下ろしました。
取材・撮影・文/ Maika (Webサイト『映画とわたし』)
映画『君の忘れ方』
■STORY■
– 思い出し方がわかった時、君をちゃんと忘れることができる –
森下昴は付き合って3年が経つ恋人・美紀との結婚を間近に控えていたが、ある日、彼女は交通事故で亡くなってしまう 。言葉にならない苦悩と悲しみで茫然自失の日々を過ごす中、母・洋子に促され、久々に故郷の岐阜へと帰省する。洋子もまた、不慮の事故で夫を亡くし、未だに心に傷を抱えていた。悲しみは癒えないと思っていたが、ある不思議な体験を通して、昴は美紀の死と向き合っていくように――。
2025年1月17日(金) 全国公開
大阪ステーションシティシネマ、MOVIX京都
kino cinéma神戸国際 ほか
監督・脚本:作道雄
出演: 坂東龍汰、西野七瀬、津田寛治、岡田義徳、風間杜夫(友情出演)、南果歩
エンディング歌唱:坂本美雨
製作総指揮:志賀司
原案:一条真也『愛する人を亡くした人へ』(現代書林・PHP 文庫)
配給:ラビットハウス
©「君の忘れ方」製作委員会 2024