『Diner ダイナー』人間と“食”との繋がりを独特の観点から描いた映画【感想・おすすめポイント】

映像化不可能と言われた衝撃の小説がついに実写映画化!本能を極限まで刺激する未体験サスペンスの開幕です。

▪︎簡単なあらすじ▪︎
オオバカナコ(玉城ティナ)は日給30万円の怪しいアルバイトに手を出したばかりに、とある店のウェイトレスとして働くことに。その店は、元殺し屋の天才シェフ・ボンベロ(藤原竜也)が店主をつとめる殺し屋専用の食堂「ダイナー」だった…。
なるべく大きなネタバレにならないよう文章を作成しておりますが、感想やおすすめポイント等をまとめているためそのような表現・描写が出てくる場合もございます。




わたしの“感想”

Maika
ストーリーやキャラクターから、人間と“食”との繋がりが独特の観点から描かれていて斬新でした。

蜷川実花さんの創る世界観… そこに広がる異次元の空間は反則級に美しく、色たちが生き生きとしています。
まず、劇中に登場する料理の数々。ナイフの刺さったハンバーガーやスキンのスフレ、ピーマンのパスタやカラフルなデザート…。「ダイナー」というだけあって、料理のシーンは特別です。ストーリーやキャラクターから、人間と“食”との繋がりが独特の観点から描かれていて斬新でした。
そして、大沢伸一(Shinichi Osawa)さんの音楽。異国情緒溢れる楽曲が映画に華を添え、よりスタイリッシュな空間を作り出しています。

個人的にテンションが上がったのは、「真矢ミキさんが“スナイパー”」だったこと。
当時小学生だった私は、宝塚歌劇団に強く憧れていて、真矢さんの花組公演はハゥトゥーサクシードから全て観劇したのですが、中でも「スナイパー」はサヨナラ公演ということもあって、思い出深いショーの1つです。今回のビジュアルや雰囲気が、もう。スナイパーを観ているようで…。(ご興味のある方は、是非ググってみてください!)

良い意味で、作り込まれすぎている。重たい荷物を軽い気持ちで持ってしまったような感覚。独特の世界観なので、観ていて少し疲れます。
でも、全く後悔はしないし、それが醍醐味だと思います。映画館の大画面・大音量で観る“意味”が必ずありますよ〜!

わたしの“おすすめポイント”

  • トップクリエイターが作り出す“美”

劇中に登場する装飾、美術、デザイン…全てにこだわりが詰まっています。
監督&脚本・蜷川実花をはじめ、プロダクションデザイナー・enzo、キャラクターデザイン・長瀬哲朗、フラワーデコレーション・東信、食堂の装飾美術・横尾忠則、フードクリエイション・諏訪綾子、ウォッカボトルの制作・名和晃平と、各界のトップクリエイターが集結。唯一無二、最高級の美しい世界観が広がります。瞬きするのも惜しいほど!

  • 超豪華キャストが勢揃い!

主人公のボンベロを演じるのは、藤原竜也。『元殺し屋であるが、観客から愛される人』というキャラクター設定の高いハードルを超え、存在感と説得力を兼ね備えた実力派俳優です。藤原さんが芸能界に入り新しい扉を開くきっかけとなった故・蜷川幸雄氏の存在、そして本作で蜷川実花さんの初タッグが実現というのは、非常にドラマティックですよね。
物語の鍵を握る少女オオバカナコ役を玉城ティナが演じるほか、窪田正孝、斎藤工、小栗旬、土屋アンナ、真矢ミキ、奥田瑛二ら豪華キャスト陣も多数出演!

  • 劇場に響き渡る、異国情緒溢れる楽曲

大沢さんにとって邦画の劇伴制作は本作が初めて。蜷川監督直々のラブコール♡で、今回の参加が実現したのだそう。
制作途中に、仮の段階で流した音楽が大沢さんの過去の作品だった…という素敵なエピソードも。独特なビートと、異国情緒溢れるメロディーは必聴です!

作品データ

監督/蜷川実花
出演/藤原竜也 ほか
日本公開/2019年7月5日(金)全国ロードショー
配給/ワーナー・ブラザース映画
オフィシャルサイト

©2019 「Diner ダイナー」製作委員会

ABOUT『映画とわたし』の運営者

【取材、撮影、記事作成など、Webサイト『映画とわたし』に関わる全てのことを担当】 兵庫県神戸市出身、関西大学卒業。大学在学中にシンガーとして音楽活動を開始。CDリリースや数々のアーティストのバックコーラスを経て、ディズニー映画『美女と野獣』の日本語版デュエットソングDAMガイドボーカル(第一興商)を務める。卒業後は、関西のマスメディアで業務に携わり、2019年には神戸のラジオブースでパーソナリティとして活動。2022年には、阪神百貨店で開催されたバレンタイン催事のイメージソング『Strawberry』を制作。